研究課題
基盤研究(B)
キルギス共和国を始めとする中央アジア諸国では未だに溶連菌感染によるリウマチ熱が猛威を奮っている。さらに、高地(低酸素)、食習慣とともに当該地域の死因の過半数を占める心不全の潜在的リスクファクターであることを発見した。これまで3度の現地調査と800人を超える溶連菌感染の細菌学的検査とその論文化・国際シンポジウム開催など情報発信、迅速診断キットの認可の法整備、母子手帳、医師向けプロトコールの作成と頒布などこの問題に対する主導的役割を担ってきた。当該研究では、さらなる学際的研究の発展のため必要な細菌学・小児科学(西)、免疫・栄養学(川原)、畜産・獣医学(三浦)の専門家を要請し、中央アジア諸国の連携機関と国際的研究コンソーシアムを構築し、分子疫学的調査と総合的対策を行うことを目的とする。平成25年度はオムルザコバ医師を招聘し、超音波検査法の研修、各大学での討議を行った。さらに、細菌学的検討を行った。同医師により帰国後、北東部のナルイン高原の疫学調査を行った(論文投稿中)。
2: おおむね順調に進展している
本研究の主たる目的である北東部の高原地域の疫学調査が実施できたことにより、キルギス共和国の全域にわたる溶連菌感染の感染率、リウマチ熱、さらには超音波検査による詳細なリウマチ性心疾患の頻度が明らかとなったた。今後、本テーマに対する対策を勘案するうえで貴重なデータが得られたと考える。
以前、我々がキルギスで採取された溶連菌は幾つかの抗生物質に対して耐性を示していた。今後、細菌学と小児科学の専門的知識を有する西を加え、このデータのさらなる検証を行う。同時に、感染症としてのリウマチ熱の病因論を考えるとき細菌サイドの問題点だけではなく宿主因子の解析の必要性は明白である。例えば、HLA,ASLO,溶連菌へのリンパ球芽球化応答性などである。さらに、2次調査により、馬乳酒などの中央アジアの伝統的食品の摂取が溶連菌感染リスクの低減との関連の可能性が示唆されている。これらの食品栄養学と感染症の視点より川原を中心に解析を行う。近年、人畜共通感染症の分野では、家畜のえさに含まれる抗生物質が環境変化を生じせしめ、ひいてはヒトに対する感染症の耐性化に関与していることが問題となっている。しかしながら、牧畜が主要産業であるキルギスにおける調査報告はこれまでなされていない。本研究では三浦を中心に、この点の現地調査を行う。
当該年度の研究費残高不足により、支払を翌年度に先延ばししたため平成26年度の研究費と合算し、支払いたい。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (28件) (うち査読あり 24件) 学会発表 (38件) (うち招待講演 2件)
Genes Dev.
巻: 28(7) ページ: 708-22
10.1101/gad.238246.114.
Vaccine.
巻: 32(13) ページ: 1444-1450
10.1016/j.vaccine.2014.01.031
日本小児呼吸器学会雑誌
巻: 24(2) ページ: 132-137
小児内科
巻: 46(1) ページ: 63-68
J Atheroscler Thromb
巻: 21(3) ページ: 186-203
In Vivo
巻: 28(1) ページ: 81-90
PLoS One
巻: 9(1) ページ: e86491
Thromb Res.
巻: 133(1) ページ: 66-72
J Vet Med Sci.
巻: 76(3) ページ: 457-9
Mod Rheumatol.
巻: 23(5) ページ: 846-50
10.1007/s10165-011-0462-3
Brain
巻: 136 (9) ページ: 2876-2887
10.1093/brain/awt183
PLoS Negl Trop Dis.
巻: 7(10) ページ: e2479
10.1371/journal.pntd.0002479.
Arthritis Research & Therapy
巻: 15 ページ: R130
10.1186/ar4310
Arthritis Rheumatol.
巻: 66(3) ページ: 560-8
10.1371/journal.pntd.0002479 10.1002/art.38263.
巻: 31(5) ページ: 845-849
10.1016/j.vaccine.2012.11.010
Jpn J Infect Dis.
巻: 66(3) ページ: 235-237
J Pediatr Hematol Oncol.
巻: 35(5) ページ: e224-5
10.1097/MPH.0b013e3182830d30
J Dermatol
巻: 40(12) ページ: 1020-1026
10.1111/1346-8138.12327
巻: 45(4) ページ: 684-686
小児科
巻: 54(12)(11月増大号) ページ: 1709-1714
Modern Media
巻: 59(11) ページ: 273-283
PLoS One.
巻: 8 ページ: e75961
10.1371/journal.pone.0075961
Int J Mol Sci.
巻: 14 ページ: 18899-924
10.3390/ijms140918899
Biochem Biophys Res Commun.
巻: 437 ページ: 573-8
10.1016/j.bbrc
Brain Tumor Pathol.
巻: 30 ページ: 28-33
10.1007/s10014-012-0095-z
J Vet Med Sci,
巻: 75(10) ページ: 1367-1369
In Vivo.
巻: 27(5) ページ: 617-621
巻: 75(7) ページ: 963-966