研究課題
基盤研究(B)
遺伝、全身疾患、口腔健康、唾液量に加え、民族の食文化を反映する食生活が味覚に影響を及ぼす因子であることが知られている。そこで本研究では、辛み嗜好性の強いタイ人と日本人を対象として食生活が味覚に及ぼす影響について検討した。対象は168名の高齢者(タイ群、日本人群、各々84名)とし、症例対照研究をおこなった。その結果、5基本味(甘味、塩味、酸味、苦味およびうま味)全てにおいてタイ人の認知閾値は日本人より有意に高かった(P<0.0001)。また、タイ人は日本人より有意に高い辛み嗜好性を有していた(p<0.001)。以上の結果より、食文化の違いが味覚に影響を及ぼす可能性があることが示唆された。
口腔内科学