研究課題/領域番号 |
25305040
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
林 善彦 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (20150477)
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研究分担者 |
戸田 一雄 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (80134708)
福田 英輝 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (70294064)
松裏 貴史 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10721037)
一瀬 休生 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (70176296)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ケニア / 無歯科医地域 / 口腔健康調査 / 小学生 / 高齢者 / 口腔環境疫学データ / 国際研究者交流 |
研究実績の概要 |
平成26年度も、前年度と同様に、ナイロビ大学歯学部の歯科医と共同で西ケニアの無歯科医地域(ビタ地区)で口腔健康調査を実施した。 平成26年10月23-24日、ビタ地区の2つ小学校(kaswanga, ICIPE)の5-6年生134名の口腔健康調査を事前のアンケート調査を基に実施した。データの詳細な集計は終わっていないが、昨年度の同時期から1年間で大きく口腔内の衛生状態の悪化はないようである。具体的なう蝕歯の状況は以下のとおりであった。 <一人平均う蝕歯(DMF)数>合計(134人)平均値0.28標準偏差0.760 <一人平均う蝕歯面(DMFS)数>合計(134人)平均値0.54標準偏差1.817 これまでの調査で指摘したとおり、我が国と異なり斑状歯の頻度が多いが昨年度と比べて、増加の傾向は特に認められなかった。 平成27年2月19-23日、ビタ地区の最小行政単位であるビタタウンシップの一番南に位置する山間部に居住する高齢者42名の歯科と関連する生活状態のインタビューと口腔内健康調査を行った。食事に関してポリジというトウモロコシの粉を粥状にした食べ物があり、残存歯の少ない高齢者にとって食べやすいことが分かった。また、家族構成はほとんどの家庭で大家族制をとっており、専門的な調査は行っていないが、65-90歳までの高齢者でいわゆる認知症が疑われる方はいなかった。生活環境とQOL,ADLとの関連についても検討の必要性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小学生は180名程度、2度目の口腔健康調査を実施でき、高齢者に関しても出張期間中に約40名のインタビューと口腔健康調査が実施出来ている。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度もこれまでと同様に、10月小学生、2月高齢者の口腔健康調査を実施する。さらに、平成26年度の高齢者のインタビュー調査で、食事内容を含めた生活環境の重要さが認識できたので、研究期間終了前年度申請の特例を使って、平成28年度から3年間の新たな研究申請を計画している。具体的には現地での滞在期間を長くし、聞き取り調査、具体的な生活様式などの観察・記録を、新たに研究分担者に文化人類学者と共に実施する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費、宿泊費が当初の予定より低く抑えることができた。
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次年度使用額の使用計画 |
調査期間、滞在期間を今年度より長く計画する予定である。
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