研究課題/領域番号 |
25305040
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
林 善彦 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (20150477)
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研究分担者 |
戸田 一雄 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (80134708)
福田 英輝 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (70294064)
松裏 貴史 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10721037)
一瀬 休生 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (70176296)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | HDSS / ケニアビタ地区 / 無歯科医地域 / 小学生 / 高齢者 / 口腔健康調査 |
研究実績の概要 |
本学のアフリカ研究拠点であるケニア南西部のビクトリア湖畔の無歯科医地域であるビタ地区にて今年度、小学生約124名と高齢者は合計131名を対象に口腔健康調査(事前インタビューと現地での聞き取りおよび口腔健診)を実施した。 小学生に関してはDMFT指数が0.18(2013年度)から0.56へと増加し、明らかに口腔衛生状況の悪化が確認できた。この内容は、共同研究者であるナイロビ大学歯学部のWagaiyu教授からケニア厚生省の担当部局へ周知を依頼した。 平均年齢は女性75.58歳、男性 75.74歳で差はなかった。 女性85名(64.9%)、男性 46名(35.1%)で、有意に女性が多かった。男女比率は ケニア全体の65歳以上の比率(54.8:45.2)と差はなかった。 残存歯数に関して、体が健康と自覚している人(5名)は28.8歯、平均的と自覚 している人(62名)22.21歯、不良と自覚している人(64名)は21.20歯で、 全身的に健康と自覚している人は、有意に残存歯数が多かった。 無歯顎者は4名、平均齲歯数は2~4本であった。 113名(86.3%)の人で伝統的抜歯風習(下顎前歯の抜去、1950年ごろまで、65歳未満 の人には見られない)による欠損部を認めた。また、下顎抜歯部位 として両側第一小臼歯間8歯、両側犬歯間6歯、両側側切歯間4歯のように時代とともに 抜歯数が減少していく傾向にあった。 食事の回数は1日3回が大多数であった。 食餌は、ウガリ(トウモロコシ粉のだんご)、スクマビキ(青菜)、魚(小魚、テラピア等) が主な内容であった。無歯顎者や少数歯残存者は、ポリジ(トウモロコシ粉のおかゆ)、 オメナ(小魚のスープ)を摂取することが可能で、歯がなくても食事は可能である。調理 法の重要性を再認識できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地の安全情報、現地協力スタッフの確保の観点から、口腔健康調査は、ビタ地区に限定して小学生、高齢者に関して実施し、この地区では予定した内容で完了できた。
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今後の研究の推進方策 |
部族、気候などの異なった無歯科医地域であるケニア東南部の本学熱帯医学研究所クワレ拠点を活用した同様の口腔健康調査を、小学生および高齢者に対して実施予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
ビタ地区での4年間の口腔健康調査が完了したことを踏まえ、今後計画している本学アフリカ研究拠点の内、ケニア東南部のクワレ地区の予備調査のための旅費等として残額を計上することとした。
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