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2013 年度 実施状況報告書

ブール関数の多項式表現を用いた回路計算量の解析

研究課題

研究課題/領域番号 25330010
研究種目

基盤研究(C)

研究機関電気通信大学

研究代表者

垂井 淳  電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (00260539)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード計算量理論 / 回路計算量 / ブール関数と多項式 / 通信計算量
研究概要

平成25年度は,まず,Williamsの2010論文結果に対して,通信計算量の枠組みで別証明を与えられないかと解析を進めた.特に,通信計算量における強力な道具となりつつあるinformation complexityと呼ばれる手法を用いた解析を重点的に試みた.基本的な2パーティー通信ではなく,マルチパーティ通信というシナリオのnumber-on-foreheadモデル(NOFモデル)の解析が必要となる.別証明を与えることには至っていないが,Williams論文の枠組みと通信計算量の枠組みとの関連について予備的結果を得ることができた.
充足可能性判定問題の最悪時間計算量が指数的であるというExponential Time Hypothesis(ETH)と呼ばれる予想はWilliams結果と密接な関連がある.このETH予想について,領域計算量との関連という今までなかったタイプの研究を進めた.特に,多項式時間で計算するためには Omega(n)ビットの記憶領域が必要というtime-space tradeoffに関する強い予想について,具体的問題と抽象的モデルの両面から研究した.具体的問題としては,特に,無向グラフにおける深さ優先探索の計算量を重点的にとりあげた.
既知上界の改善と既知リダクションの精密化に成功し,結果を論文として投稿中である.抽象的モデルの解析としては,領域計算量の下界に関する強い形の予想と計算量理論における他の予想との関係についていくつかの結果が得ることに成功し,さらに解析を進めている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Williams2010論文結果に対して,通信計算量との関連の解明が進み,また,領域計算量との関連について具体的結果を得つつ解明が進んでおり,研究はおおむね順調にすすんでいると言える.

今後の研究の推進方策

Williams2010論文の結果・手法に対する発展・深化・展開に取り組んでいる研究者は多い.今後,アプローチとしてオリジナリティがあると思われる研究を特に重視して進めていきたい.平成25年度の研究として上で説明した通信計算量および領域計算量との関連解析はかなりオリジナルな切り口だと思われるので,その意味でもこれらについてはさらに研究を深化させ展開させていきたい.

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公開日: 2015-05-28  

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