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2014 年度 実施状況報告書

ブール関数の多項式表現を用いた回路計算量の解析

研究課題

研究課題/領域番号 25330010
研究機関電気通信大学

研究代表者

垂井 淳  電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (00260539)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード領域計算量 / 深さ優先探索 / 通信計算量 / 多項式表現
研究実績の概要

平成26年度は,まず,Williams2010論文結果に対して,通信計算量の枠組みでの解析,および,多項式表現の複雑さの枠組みでの解析をさらに推し進めた.これらの枠組みの中でWilliams2010論文結果に対する別証明を与えるという目標において鍵となる問題の特定に成功した.

充足可能性判定問題の最悪時間計算量が指数的になると主張するExponential Time Hypothesisという予想とWilliams結果の関連についての解析も進めた.領域計算量におけるExponential Time Hypothesisの類似予想に関連して,いくつかの具体的結果を得ることに成功した.特に,グラフに対する深さ優先探索という非常に基本的問題について,多項式時間で解くために必要な記憶容量について解析し,nビットの記憶容量で解く多項式時間アルゴリズムを与えることができた.関連結果として,無閉路グラフに対する深さ優先探索がO(n/loglog n)ビットの記憶容量を用いて多項式時間で計算できることも示すことができた.これらの結果は,グラフ上の2点の連結性判定が記憶容量をO(log n)ビットのみ用いてできるというReingoldの画期的な結果を深さ優先探索の性質の解析とうまく組み合わせて用いることによって得られた.これらの研究成果はisaac2014で発表した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Exponential Time Hypothesis は時間計算量に関する予想だが,この予想の類似を領域計算量について解析するという研究は
今までほとんどされていないオリジナリティの高いものだと言え,その研究において具体的成果を得ることに成功している.

今後の研究の推進方策

Williams2010論文の結果を次のブレークスルーへと深化・拡張させるという研究コミュニティにおいてその重要性が明確に認識されている課題に対して,
一定の意義をもつような結果をえることをめざしたい.

Exponential Time Hypothesis の領域計算量における類似予想とその周辺の解析については,平成26年度に得ることに成功した深さ優先探索に関する解析結果をふまえて,グラフに関する別の問題に対しても解析を進める.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Depth-First Search Using O(n) bits2014

    • 著者名/発表者名
      T. Asano, T. Izumi, M. Kiyomi, M. Konagaya, H. Ono, Y. Otachi, P. Schweitzer, J. Tarui, R. Uehara
    • 雑誌名

      Lecture Notes in Computer Science vol. 8889: Proceedings of ISAAC2014: the 33rd International Symposium on Algorithms and Computation, Springer

      巻: 8889 ページ: 553--564

    • DOI

      10.1007/978-3-319-13075-0_44

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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