研究課題
離散事象システムの故障診断については,従来から数多くの理論および応用研究が行われてきたが,観測したイベント列から故障の発生を推定する診断器を,あらかじめ与えたシステムモデルから構成するモデルベース故障診断が主流である.これに対し,本研究課題ではデータサイエンスにおける異常検知の考えに基づき,観測されたイベント列のみを用いてシステムの障害の発生を検出するモデルレス故障診断法を提案している.平成26年度より,考案した方法を実データに適用し,有効性を確認している.実データとしては介護現場におけるケアスタッフの行動ログデータを用い,平成26年度は,(i)スタッフの要注意行動の発見,および,(ii)他と異なる行動をする傾向のあるスタッフの特定,を行った.この結果はあくまで個人の行動ログからの異常検知だったのに対し,平成27年度は対象を8人程度のケアスタッフのグループに拡張し,グループ全体としての異常行動を検知する方法について検討した.具体的には,スタッフ配置の時系列における変化パターンを学習し,いくつかのパターンに分類する手法を提案した.この手法により,通常はあまり見られない異常なパターンの出現を時系列上で発見することができる.この成果は様々なデータから状況を認識する状況アウェアネスの研究として,今後発展させる予定である.
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
Proc. 2015 IEEE International Inter-Disciplinary Conference on Cognitive Methods in Situation Awareness and Decision Support
巻: 1 ページ: 78-82
IEICE Trans. Fundamentals
巻: E99-A:2 ページ: 462-467
Proc. 30th International Technical Conference on Circuits/Systems, Computers and Communications
巻: 1 ページ: 721-724