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2015 年度 実施状況報告書

非線形最適化問題を解くための数値解法の研究およびその実装

研究課題

研究課題/領域番号 25330030
研究機関東京理科大学

研究代表者

矢部 博  東京理科大学, 理学部, 教授 (90158056)

研究分担者 成島 康史  横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 准教授 (70453842)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード非線形最適化 / 無制約最小化問題 / 制約条件付き最小化問題 / 共役勾配法 / 準ニュートン法 / 逐次2次制約2次計画法
研究実績の概要

無制約最適化問題および制約条件付き最適化問題を解くための数値解法について、以下の通り研究した。研究成果の一部は日本OR学会、研究集会(於京都大学数理解析研究所、政策研究大学院大学)等で発表した。また、研究結果が学術論文誌に掲載された。
1.大規模な無制約最適化問題を解くためのメモリーレス準ニュートン法について研究した。BFGS公式については従来から研究されていたが、本研究では正定値性を保存するようなサイジング付き対称ランクワン公式に基づいたメモリーレス準ニュートン法を提案し、その大域的収束性について議論した。
2.大規模な無制約最適化問題を解くための3項共役勾配法について研究した。収束のスピードを速めることを目指して、セカント条件が3項共役勾配法に適切に反映するような工夫をして3項共役勾配法のパラメータを決定した。提案手法の大域的収束性を示すとともに、数値実験を行って有効性を検証した。
3.画像処理などの応用分野で現れるトレース比最適化問題を解くための数値解法について研究した。先行研究であるSCF反復法について大域的収束するための条件を緩めるとともに、SCF反復法の改良版を提案して数値実験比較を行った。
4.制約条件付き最適化問題に対する主双対外点法について研究した。これは内点法の弱点であるウォームスタートを実現するもので、シフト付きKKT条件を導入することによって従来の主双対外点法よりも緩い条件のもとで大域的収束することを示した。
5.制約条件付き最適化問題を解くための逐次2次制約2次計画法について研究した。毎回の反復で実行可能な探索方向を生成するような非厳密逐次2次制約2次計画法を提案し、大域的収束性と局所的超1次収束性について解析した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新しい観点から非線形最適化問題に対する数値解法を提案し、その大域的収束性や局所的超1次収束性についてきちんと解析している。また、数値実験を通じて、大規模問題に対する提案手法の有効性についても検証している。実用的な実装については今後の課題である。

今後の研究の推進方策

無制約最適化問題ならびに制約条件付き最適化問題を解くための数値解法について、さらに新しい観点から数値解法を提案するとともに、数学的な立場からその収束性について解析していく予定である。そして、数値実験を通して提案手法の有効性を検証していく。また、応用分野で発生する別の最適化問題も視野に入れ、それに関連した研究動向を把握するために文献調査をしていく。さらに国内外の学会の研究発表会やシンポジウムに出席して、他大学・他研究機関の研究者と積極的に交流し、研究打ち合わせを行って意見交換をしていく予定である。
平成28年度は、前年度に続いて制約条件付き最適化問題を解くための逐次2次制約2次計画法、微分不可な関数(もしくは微分不可な正則化項)を含む非線形方程式や最適化問題に対する数値解法、大規模無制約最適化問題を解くためのメモリーレス準ニュートン法などについても詳しく研究していきたい。

次年度使用額が生じた理由

消費税の関係で1円単位の端数が出てしまい調整できなくなりましたので、次年度に4円繰り越します。

次年度使用額の使用計画

文献のコピー代等に使用する予定です。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 無制約最適化問題に対するメモリーレス修正SR1法の大域的収束性について2016

    • 著者名/発表者名
      中山舜民、成島康史、矢部博
    • 雑誌名

      京都大学数理解析研究所講究録

      巻: 1981 ページ: 55-65

  • [雑誌論文] トレース比最適化問題に対する数値解法2016

    • 著者名/発表者名
      山本哲生、矢部博
    • 雑誌名

      統計数理研究所共同研究リポート

      巻: 369 ページ: 101-126

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] A primal-dual exterior point method with a primal-dual quadratic penalty function for nonlinear optimization2015

    • 著者名/発表者名
      Yu Igarashi and Hiroshi Yabe
    • 雑誌名

      Pacific Journal of Optimization

      巻: 11 ページ: 721-736

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 大規模無制約最適化問題に対する非線形共役勾配法とその周辺2015

    • 著者名/発表者名
      成島康史
    • 雑誌名

      第27回RAMPシンポジウム論文集

      巻: 27 ページ: 171-184

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 実行可能方向を生成する非厳密逐次二次制約二次計画法の 大域的収束性と超一次収束性2016

    • 著者名/発表者名
      渡邉遊、中谷啓、矢部博
    • 学会等名
      研究集会「最適化:モデリングとアルゴリズム」
    • 発表場所
      政策研究大学院大学
    • 年月日
      2016-03-22
  • [学会発表] Global convergence of memoryless modified symmetric rank-one method for unconstrained optimization2016

    • 著者名/発表者名
      中山舜民、成島康史、矢部博
    • 学会等名
      研究集会「最適化:モデリングとアルゴリズム」
    • 発表場所
      政策研究大学院大学
    • 年月日
      2016-03-22
  • [学会発表] 実行可能方向を生成する非厳密逐次二次制約二次計画法の大域的収束性と超一次収束性2016

    • 著者名/発表者名
      中谷啓、渡邉遊、矢部博
    • 学会等名
      日本オペレーションズ・リサーチ学会
    • 発表場所
      慶應義塾大学矢上キャンパス
    • 年月日
      2016-03-17
  • [学会発表] 大規模無制約最適化問題に対する非線形共役勾配法とその周辺2015

    • 著者名/発表者名
      成島康史
    • 学会等名
      第27回RAMPシンポジウム
    • 発表場所
      静岡大学浜松キャンパス
    • 年月日
      2015-10-16
    • 招待講演
  • [学会発表] 無制約最適化問題に対するメモリーレス修正SR1法について2015

    • 著者名/発表者名
      中山舜民、成島康史、矢部博
    • 学会等名
      日本オペレーションズ・リサーチ学会
    • 発表場所
      九州工業大学戸畑キャンパス
    • 年月日
      2015-09-11
  • [学会発表] 無制約最適化問題に対するメモリーレス修正SR1法の大域的収束性について2015

    • 著者名/発表者名
      中山舜民、成島康史、矢部博
    • 学会等名
      研究集会「新時代を担う最適化:モデル化手法と数値計算」
    • 発表場所
      京都大学数理解析研究所
    • 年月日
      2015-08-31
  • [学会発表] 非線形共役勾配法の最近の進展について2015

    • 著者名/発表者名
      成島康史
    • 学会等名
      日本オペレーションズリサーチ学会 最適化の基盤とフロンティア研究部会 第2回研究会
    • 発表場所
      東京理科大学神楽坂キャンパス
    • 年月日
      2015-04-25
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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