研究課題/領域番号 |
25330032
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮田 敏 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60360343)
|
研究分担者 |
坂田 泰彦 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90379206)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | コホート研究 / ネットワーク解析 / 構造方程式モデル / 慢性心不全 |
研究概要 |
本研究では、2006~2010年に東北大学を含む24施設において登録された10,219名の心不全患者コホート(CHART-2研究)を用い、ネットワーク解析を用いた心疾患イベントのリスク要因探索を行う。本コホートでは、臨床検査数値の追跡調査による疫学データのほか、2011年3月11日の東日本大震災後に行われた心理ストレス調査のためのアンケート結果も含む。このデータを用い、平常時及び大規模なストレス発生時における疾病発生メカニズムに関するネットワーク解析を行う。本年度、CHART2研究においてはデータの入力を継続し、登録時データは入力終了、1年次データも98%の入力を完了、2年次以降も随時入力を進行中である。また、CHART2研究の登録患者の一部(1,129名)を対象に行っている介入研究(SUPPORT試験)については、登録時から6~8年次までの全データの入力確定を終了した。心理ストレスアンケートについては、2011~2013年の各年に行い60~65%、5000件以上のアンケート回収に成功した。 得られたデータに対するネットワーク解析としては、統計解析ソフトRのsemパッケージと、SPSSのAMOSを用いた構造方程式モデル(共分散構造モデル)による解析を開始した。 CHART2研究、SUPPORT試験の医学的側面を検討し、7編の論文として発表した。また、CHART2研究の実施主体である東北心不全協議会の第20,21回総会を開催し、研究成果を報告した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CHART2研究は、登録時の違いにより現在6~8年目に入っているが、検査データ収集とデータベースへの登録は順次遂行中である。すでに登録時データの入力は終了し、1年次データも終了間近である。また、死亡、心不全入院などイベント発生情報も100%追跡している。しかし、収集されたデータが膨大であり、また参加施設が東北各県に分散しているため、それ以外のデータのデータベースへの登録には遅れが発生している。 CHART2研究の医学的検討については、本研究に参加する循環器内科医の協力の下順調に進行している。研究成果は複数の論文として報告した。 疫学データのネットワーク解析については、当初の予定通り、今年度はまず既存の構造方程式モデル(SEM)の検討から開始した。生存時間を目的変数とするSEMの理論的検討は、現在進行中である。
|
今後の研究の推進方策 |
CHART2研究のデータ登録は、引き続き粛々と遂行する。データ入力に際しての論理チェックや、各種データベースのデータ統合のためのプログラムを開発し、データ入力の効率化とご入力の防止を図る。 CHART2研究の医学的側面についても、循環器内科医との協力の下論文作成と学会発表を継続する。 打ち切りを伴った生存時間データに対するネットワーク解析手法について理論的検討を行い、また、最適なネットワークを効率的に探索する手法も併せて検討する。開発したモデルをCHART2研究のデータに適用し、生活習慣病・慢性心不全の病態の理解につなげる予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
参加学会が近隣開催であったため、旅費を抑えることができた。 平成26年度は、複数回海外学会への参加を予定しており、平成26年度分と併せて執行を行う。
|