研究課題
本研究では、2006~2010年に東北大学を含む24施設において登録された10,219名の心不全患者コホート(CHART-2研究)を用い、ネットワーク解析を用いた心疾患イベントのリスク要因探索を行う。本コホートでは、臨床検査数値の追跡調査による疫学データのほか、2011年3月11日の東日本大震災後に行われた心理ストレス調査のためのアンケート結果も含む。また、同じ登録患者を対象に、介護と介護予防の必要性、および患者の運動量、運動阻害要因に関しては年1回のアンケート調査を継続中である。現在、登録時から3年次までの検査データおよび死亡その他のイベントはほぼ100%入力を完了し、毎年の検査データの入力とCRCおよび医師による確認作業も順調に進行中である。震災後の精神的ストレスのほか、介護と介護予防の必要性、および患者の運動量、運動阻害要因に関しては年1回のアンケート調査を継続中であり、毎年60%前後の回収率を達成している。精神ストレスに関する2011~2014年のアンケート結果から、当初患者の14.7%で認められたPTSD症例は、2012年度に15.7%に上昇した後2013年度には7.4%に減少し2014年度も7.4%で前年と有意差を持たないことが明らかとなった。また、福島第一原発からの距離に反比例するように原発に近いほどPTSD症例が多いことも確認され、原発事故の精神的影響が認められた。このデータを用い、平常時及び大規模なストレス発生時における疾病発生メカニズムに関するネットワーク解析をおこなった。特に1)震災ストレスの経時変換を検討し、時間的、空間的にPTSD等のストレス障害の変化を解析したこと、2)検査数値データに加え、アンケート調査結果もネットワーク解析に反映させたことは今年度の研究の特徴となった。CHART2研究、SUPPORT試験の医学的側面を検討し、7編の論文および多数の学会報告として発表した。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件)
Circ J.
巻: 80(3) ページ: 677-88
10.1253/circj.CJ-15-0942
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10.1253/circj.CJ-15-0783
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10.1253/circj.CJ-15-0514
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巻: 79(7) ページ: 1631-8
10.1253/circj.CJ-15-0062
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10.1253/circj.CJ-14-0939