研究課題/領域番号 |
25330034
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
汪 金芳 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10270414)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 一般化線型モデル / 過分散 / モデル選択 / 擬似尤度 |
研究概要 |
一般化線型モデルに基づいて回帰分析を行うためには,データの分布が指数分族に従う仮定する必要があった.たとえば、離散データに対するこれまでの標準的な解析法では,カウントデータではポアソン分布を,割合データでは二項分布を仮定している.しかし,現実に観察される多くの離散データは,ポアソン分布や二項分布の仮定を満たさず,過分散と呼ばれる現象が生じる.過分散が伴うデータに通常の一般化線型モデルを適用したときに,分散が過小に評価されるため,誤った推論を導く危険性がある.過分散データに対しての既存研究は多く存在するが,その殆どが推定に関するもので,モデル選択に関する研究非常に限られている. 今年度では,指数分布族などのような確率分布の想定を想定せず,平均と分散の仮定のみに基づいたセミパラメトリック推測の枠組みの中で,最適統計モデルの構築に関する研究を行った.その応用の1つとして,過分散をもつデータに対して,回帰パラメータの推定だけではなく,予測を目的とした最適セミパラメトリック統計モデルの構築が可能になることである.本研究では,AICに代表される古典的なパラメトリックモデル選択法の考え方を拡張し,凸解析の成果を引用し,平均と分散の仮定を満たす確率密度関数からなる無限次元のモデル空間への射影を導出した.得られたセミパラメトリックモデル選択法の漸近的不偏性が証明され,またその良さについてシミュレーションや過分散データの解析などを通して確認された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
擬似尤度に基づいたセミパラメトリックモデル選択基準SICを構築し、SICの漸近的不偏性を理論的に確認をし、シミュレーションや実データへの適用を通して、その有効性を確認した。
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今後の研究の推進方策 |
パラメータに関する事前情報が得られているとき、セミパラメトリックモデルと融合をし、ベイズ的情報量基準を考える。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究発表のための旅費が当初より少なかった。 大学後期課程の学生とともに研究をし、得られた成果を、次の会議を含むいくつかの国際会議などの場で発表を行う。 27th International Biometric Conference, Florence, Italy, 6-11 July, 2014
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