研究課題
(1) 複数の読影者から得られたクラスターデータに基づいて、2つの画像診断法に対する非劣性検定を提案し、コンピュータシミュレーションなどを行い、名目上の有意水準に概ね達していることを確認した。また、急性くも膜下出血患者に対して実施した動脈瘤診断法から得られたデータに本提案手法を適用し、その有効性を確認した。(2) 複数の読影者による評価データを統合するための多次元変量効果モデルを提案し、それに基づいた感度と特異度の推定法や、感度と特異度の同時信頼区間の構築法を提案した。シミュレーションや、アルツハイマー・データへの適用を通して、提案手法の有効性を確認した。(3) 定理証明支援系 Coq とその拡張である SSReflect を用いた,Wang(2010) で提案された代数 系 Cain、とそれに基づく条件付き独立性の形式化を行った。(4) 連続変量の離散化を行い、頻度として表に纏めることがしばしばある。このような疎表に基づく「セル回帰分析」の手法を開発した。セル回帰分析法は従来の回帰分析法や区間回帰分析法の拡張としてみることができる。セル回帰では、説明変数と従属変数が属する区間情報しか得られていないので、データがセルに属する予測確率は同時分布に基づいた重積分によって得られる。セル回帰では、予測確率分布と観測分布のKullback-Leiber情報量を最小にすることにより回帰パラメータの推測を行う。本研究では、また、セル回帰から得られる事前分布をより詳細なデータに埋め込み、新しいベイズ予測の手法を提案した。提案された手法を糖尿病予測の問題に適用し、その有効性を確認した。
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Journal of Biopharmaceutical Statistics
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