本研究課題では,水産資源に対する管理ストラテジーとエコロジカルリスク評価について統計学的視点からアプローチを行った.具体的には,資源評価に用いる資源動態モデリングとそれに対する統計的推測法,不確実性を考慮した資源回復計画やリスクの客観的評価方法,そして実際の資源への適用などについて取り組んだ.とくに海棲哺乳類については,資源枯渇リスクと漁業被害軽減効果のバランスのとれた資源管理ストラテジーを提案するフレームワークを構築した.また,生態系変動の下における管理手法についても資源管理ストラテジーの視点から検討を行い,従来の性能を上回る管理方式の開発が可能となった.
|