研究課題/領域番号 |
25330041
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
三重野 牧子 自治医科大学, 医学部, 助教 (60464707)
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研究分担者 |
田中 紀子 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (10376460)
新井 富生 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), その他部局等, 研究員 (20232019)
沢辺 元司 東京医科歯科大学, その他の研究科, 教授 (30196331)
石川 鎮清 自治医科大学, 医学部, 教授 (70306140)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 競合リスク / 生存時間解析 / 誤分類 |
研究実績の概要 |
本研究では、死亡あるいはある疾患の発症といったアウトカムに誤分類があるような臨床研究、疫学研究に注目している。 2年目である平成26年度には、平成25年度にデータ精査をおこなった結果についての論文化が主となった。東京都健康長寿医療センターの病理解剖診断データと死亡診断書の450例のデータについて、全身の病理解剖所見と臨床診断を含むカルテ情報の総合判断からの死因(ゴールドスタンダード死因)と死亡診断書の第一死因(原死因)の一致度を、細分類としてICD-10コードを、大分類として厚生労働省の死因統計分類を用いて、分類区分ごとにまとめた。全体の一致度は48%であったが、その内訳は疾患ごとに大きく異なっていた。悪性腫瘍についての一致度は81%と高い一方で、心疾患では55%、また肺炎に注目すると9%という低さであった。性、年齢、既往歴を調整しても、誤分類に影響するのは原死因であることが示された。また、悪性腫瘍についての感度は80%、特異度は96%であった一方で、心疾患の感度は60%、肺炎についての感度は46%と低い値になっていた。この結果をJournal of Epidemiologyに投稿し、本報告書記載時点でリバイズ中である。 さらに、複数の死因が競合している状況でのアウトカムに対するリスク推定の際にどの程度誤分類が推定値に影響するのか確認する感度分析については、JMSコホート研究データを用いた比較検討結果を平成26年8月に生物統計についての国際学会であるInternational Society for Clinical Biostatisticsにてポスター発表を行った。論文作成も進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
病理診断データと死亡診断書からの死因の誤分類について、一致度、感度、特異度についてまとめることができた。また、疾患によって誤分類の程度が異なる点も示された。上記の内容の論文投稿がリバイズ中であり、研究計画どおりと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画どおりに進める予定である。まず、論文化を進めている、複数の死因が競合している場合の誤分類のリスク推定への影響に関する感度分析について早々にまとめる。さらに、感度と特異度を症例ごとに推定し、すでに発表した病理診断データと死亡診断書からの死因データの不一致に関する研究結果を別コホート(JMSコホート)へ外挿できるような新たなモデルを提案するとともに、汎用的な計算プログラムの開発も行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際誌への投稿にあたり、英文校正料が予想よりも安価におさえられた。また、平成26年度中に投稿論文がアクセプトされず、支払うべき投稿料が平成27年度に持ち越されてしまった。プログラミングに関わる人件費も、当該年度に適任者の都合がつかなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
投稿中(リバイズ中)の論文がアクセプトされた際には、投稿料の支払いが必要となる。また、プログラミングの適任者が見つかったため、早々に依頼することになっている。平成27年度にも複数の新たな論文投稿を予定しており、英文校正料および投稿料が必要となる。
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