抗がん剤や免疫抑制剤の多くは有効な治療域が狭く、投与量不足は治療効果の不足、投与量過多は重大な副作用を引き起こす危険があるため、患者毎に投与量を細かく調節する必要がある。そのためには、薬剤の血中濃度を測定して至適投与量を決める必要があるが、頻回の採血を行うのは患者の負担が大きいため、数回の採血から適切な投与量を推定する方法が提案されている。しかし、既存の推定方法は正確度に問題がある上、いずれも精度の評価が難しかった。そこでこの研究では、造血幹細胞移植の前処置薬であるブスルファンの静脈内注入に対して、これまでの推定方式の問題点を明らかにするとともに、正確な投与を実現する新しい方法を開発した。
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