研究課題
基盤研究(C)
今年度で、以下の結果が得られた。1. ETASやBASSモデルを含む広い範囲の地震発生の分枝過程モデルの臨界特性と安定条件を検討し、ETASモデルの拡張性に制限を与えた。子地震の大きさが親地震の大きさから独立でないとき、このマーク付き分枝過程には「半臨界(semi-critical)」という特別なモードが存在する。このモードに於いて各分枝は最終的に死滅する一方で、全体の人口が爆発的に増加する。2. 地震活動を使用して地震断層形状の逆問題を解いた。この目的の為に、)地震断層形状を含む形でETASモデルを拡張した。 この拡張ETASモデルからデータへのより良好なフィッティングが得られた。これにより、楕円状に分布する余震領域は、断層破壊域内各部分による等方向への誘発効果の重ね合わせによって引き起こされることが示される。確率的再構築(Stochastic)法を用いて、断層形状を反転させること も可能である。3. 地震予測の性能を評価するためパリミュチュエルギャンブリング評価法を開発した。この方法を用いて南カリフォルニア地震センターのRELM(Regional earthquake likelihood model)予測パフォーマンスを評価した。4.非地震性活動の異常と地震発生との関係を確認した。自己および相互励起モデルを利用して、北京地域の地下電気信号の前兆情報を確認した。Molchanエラー図を用いて、ニュージーランド・タウポ(Taupo)地域、カリフォルニア州地域と日本の関東地方でGPSの前兆情報を確認した。確率の利得は約4から10であった。
2: おおむね順調に進展している
今年度の研究計画は実績概要と出版物の通りに完了した。また、来年度以降の研究進展の為に幾つかの初期結果を得た。本研究は順調に進展している。
今後以下の方向で研究を継続する:(1)日本地域の地震震源メカニズムのランダムな分布に関する研究、および関連シミュレーションと予測の方法に関する研究。(2)震源の深さを含め、ETASモデルを拡張する。(3)拡張ETASモデルを用いて、3D空間内断層形状を反転させるための反復方法を開発する。(4)震源メカニズムやその他非地震性地球物理観測を組み込む新しいETASモデルを開発する。(5)地震研究所のCSEPプロジェクトに新しいモデルを提出し、予測性能の評価に参加する。
技術補佐員(短時間雇用)は、他のソースの資金によってサポートされた。サポートする資金は来年度は明確ではないので、この使用額を2014年度に使用する。技術補佐員: 800~1000円/時間 x 約160時間 + 交通費
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (13件) (うち招待講演 3件)
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