プロセッサの性能向上を維持するため,チップに複数のプロセッサコアを集積するマルチコア/メニーコアと呼ばれるプロセッサアーキテクチャが注目されている.コア融合の仕組みを用いる新しいメニーコアアーキテクチャによるプロセッサの高速化と計算機アーキテクチャ研究に適したFPGAボードの設計と実装を目指して研究をおこなった. 研究3年目の平成27年度は,ルックアップテーブルの入力数といったFPGAの構造を意識したプロセッサのハードウェア規模の削減手法に関する検討を進めた. 次に,コア融合の仕組みを持つメニーコアプロセッサにタスクを割り当てたり複数のコアの融合/分離の制御をおこなったりするオペレーティングシステムとしては汎用のLinuxを利用する.このLinuxが動作させる研究と教育に適したx86命令セットアーキテクチャの計算機システムとして開発してきたFrixと呼ばれるシステムの完成度を実用的なレベルに引き上げ,ソースコードを含むこれらこの成果をウェブにて公開することができた. また,標準的で洗練されたアウトオブオーダ実行のプロセッサをVerilog HDLで記述し,そのハードウェア量との比較から,提案しているコア融合の仕組みを持つメニーコアプロセッサアーキテクチャであるCoreSymphonyの実現可能性を明らかにした.構築した標準的で洗練されたアウトオブオーダ実行のプロセッサの成果をウェブにて公開することができた.
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