研究課題/領域番号 |
25330060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
嶋田 創 名古屋大学, 情報基盤センター, 准教授 (60377851)
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研究分担者 |
小林 良太郎 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (40324454)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | プロセッサアーキテクチャ / 低電力アーキテクチャ / 高回路面積効率アーキテクチャ |
研究概要 |
本年度は、研究計画書の平成25年度の実施計画に記載されている、細粒度ALUカスケーディングのためのRTL設計をベースとした命令の実行レイテンシの評価、および、命令の組み合わせの研究を行った。本年度は、クロック周波数を全く低下させないという厳しい制限を課した状態において実施可能な命令の組み合わせのもとでの評価を行い、RTL設計の論理合成結果によるレイテンシ評価により、論理演算同士および論理演算とシフト演算の組であればクロック周波数の必要の低下は不要という結果を得た。また、この条件のもとでのIPC向上率をサイクル・アキュレートなシミュレータで評価を行い、平均2.0%IPCが向上することを確認した。この件に関して、1件の研究発表を行った。 また、研究分担者の提案でサブワード並列性を利用した細粒度ALUカスケーディングに関する調査を行い、クラスタ型プロセッサ内で32-bit演算器で構成されたクラスタと16-bit演算器で構成されたクラスタを使い分けることにより、本研究の目標である面積効率と電力効率に優れたプロセッサ・コアの実装が可能という見通しを得た。この件においても、1件の研究発表を行っており、今後も、サブワード並列性の利用による面積効率と電力効率の向上を試みる。 なお、研究代表者の異動による研究環境の変化(業務内容の変化、および、学生数の減少)のため、最も人員リソース等が必要となる、細粒度パイプラインステージ統合の予備評価やベースとなるRTL実装については、一時的に、推進を中止している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
細粒度ALUカスケーディング側については予定通りの進歩を得たが、細粒度パイプラインステージ統合側については、予定通りの進歩が得られていない。この主たる理由として、研究代表者が平成25年4月より異動したため、新たに研究環境を構築し直す必要が出てきたこと、情報基盤センターという研究外の業務が多い部署に異動したこと、および、テーマ割当が可能な学生数の減少により、研究代表者側での研究リソースが減少したためである。平成25年度中に体制は再構築されたため、平成26年度以降にはこの遅れによる影響を取り戻すことを目標とする。
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今後の研究の推進方策 |
細粒度ALUカスケーディングについては、本年度の研究成果を踏まえ、クロック周波数の低下を許容することでどのように適用可能な命令の組み合わせが増えるかという点について探索を行う。サブワード並列性を利用した面積効率と電力効率の向上は、本研究の研究計画には記載されていないが、本研究の主目的にも一致しており、有望なアイデアのため、発展させていくことを考える。また、プロセッサ全体を設計するPSUは人員リソース等への負荷が大きいため、平成26年度以降の人員リソース等によっては、上記2点の研究推進が一段落した後に推進することに、予定を変更することを考える。
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