研究課題
プログラマブルな多次元ディジタル波形信号合成器とその設計自動化ツールの開発を目指し,平成27年度は,以下の研究を行った.1.ノイズ信号の数学的な解析と数理計画法などを用いた設計最適化ツールの開発前年度までに開発した合成器を仕様で要求される信号品質(ノイズの小ささ)に応じて自動生成するために,関数近似で生じる近似誤差,数値を有限桁で表現する際に生じる丸め誤差,回路内の計算で生じる計算誤差を考慮して,合成器で生じるノイズ信号を数式によりモデル化し,数値や各演算器のビット精度を最小化するツールを開発した.残念ながら,開発した合成器の構造が生成する信号に大きく依存してしまうため,任意の信号合成器に対応することはできなかったが,下記で述べる応用例に関しては,要求された精度に応じた回路の自動生成を可能にした.2.合成器の応用分野の新規開拓新たな応用分野を開拓するために,地元企業(自動車会社)から提供された情報をもとに,本研究で得られた技術を自動車のバーチャルセンサーに応用した.バーチャルセンサーとは,コストやサイズなどの関係で取り付けることができないセンサーの信号を,他のセンサーの信号から計算により仮想的に生成する機器のことであり,今回は,エンジンのクランク角,エンジン内の圧力,過去の温度から現在のエンジン内の発熱量を生成するバーチャルセンサーを設計した.要求された精度に応じたバーチャルセンサーを自動生成できるだけでなく,パラメータ等を設計後に柔軟に変更できる.そのような柔軟性を保持しながらもソフトウェア実装の55倍の速度向上を達成した.これにより,実際のセンサーと遜色無く,リアルタイムな制御にセンサーの信号を利用できる.
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
Proceedings of SDPS International Conference on Transformative Science & Engineering, Business and Social Innovation
巻: 20 ページ: 1-5
Proceedings of IEEE International Symposium on Multiple-Valued Logic
巻: 45 ページ: 170-175
10.1109/ISMVL.2015.22
http://rsw.office.hiroshima-cu.ac.jp/Profiles/8/0000731/profile.html