研究課題/領域番号 |
25330072
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
市原 英行 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (50326427)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ストカスティックコンピューティング / 画像処理 / 相関係数 / 演算精度 / LSI設計 |
研究概要 |
まず,ストカスティックコンピューティングの精度と信頼度に関する研究を行うための準備を行った.2つのストカスティック回路アーキテクチャを対象に,具体的なアーキテクチャの実装を行うための設計環境,設計や精度の計算に必要となるシミュレーション環境,そして実機(FPGA)上で回路を実際に稼働させるための環境の整備を行った.これによりストカスティック回路の回路面積,遅延,演算精度,耐故障性などを評価できる環境を整えることができた. 次に,整備した環境を用いて,画像処理回路を対象にしたストカスティック回路を作成し,主に回路面積と演算精度の関係について考察を行った.この結果,数値をストカスティック数に変換するための変換回路が比較的大きな面積を占めることがわかった.この問題に対して,変換回路内部に存在する乱数発生器(具体的には線形シフトフィードバックレジスタ)を複数の変換回路で効果的に共有するための設計法を提案し,この手法が計算器実験により精度を落とすことなく回路面積を大幅に削減できることを確認した.この成果は2つの国内研究会で報告を行い,今後は国際会議に投稿予定である. また,バーンスタイン多項式を用いたストカスティックコンピューティングにおける演算精度と回路面積の関係についても調査を行った.この結果,実現の対象である関数を適切に分割することで演算精度を保ったまま回路面積を下げることができる可能性を指摘することができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では,研究環境の整備後,ストカスティック回路に適したテストパターン生成法の提案,演算精度と信頼度の関係に関する研究を行う予定であったが,従来の方法を改良できる重要なポイントが見つかったため,そのポイントに基づいた設計手法の提案を行うことに注力した.このため多少計画から遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
ほぼ当初の計画どおり進めることができると考えている.計画からは多少の遅れがあるが,昨年度研究に携わっていた学生がほぼそのまま研究室に残っており,また新たな学生も増えるため,計画通り勧めることができると思われる.
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次年度の研究費の使用計画 |
当初予定していた学生を使った回路設計および実験を行わなかったため. 昨年度できなかった回路設計および実験は,次年度の最初に実施する予定.
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