研究課題/領域番号 |
25330083
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
阿萬 裕久 愛媛大学, 総合情報メディアセンター, 准教授 (50333513)
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研究分担者 |
天嵜 聡介 岡山県立大学, 情報工学部, 助教 (00434978)
平田 孝志 関西大学, システム理工学部, 准教授 (10510472)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | コメント文 / ソフトウェア品質 / リファクタリング |
研究実績の概要 |
平成 26 年度には,前年度に開発したデータ収集プログラムを使って四つの著名なオープンソースソフトウェア開発プロジェクトからプログラムモジュール(正確には Java プログラムにおけるメソッド)を約 3 万個収集し,それぞれにおけるコメント文記述量を調べた.あわせて,各モジュールの規模(行数)と複雑さ(条件分岐の数)についてもデータ収集を行った.そして,モジュール内にコメントが多く書かれている場合はそうでない場合に比べてバグの潜在リスクが約 2 -- 3 倍高いことを統計的に見出すことができた. さらに,コメント文に着目したバグ潜在予測手法について,前年度に投稿して不採録となっていた論文に対する査読コメントを参考に,モジュールの規模及び複雑さとの関係も考慮した分析も行った.具体的には,バグ予測モデルの研究において広く使われている統計モデルである「ロジステック回帰モデル」について,その説明変数(予測の材料)として(1)モジュールの規模,(2)モジュールの複雑さ,(3)コメント文量,の 3 種類の可能なすべての組み合わせ(対数変換したものも含まれる)を考え,それぞれのモデルの評価実験を行った.その結果,(前述した)四つのオープンソースソフトウェアすべてにおいて,コメント文量を説明変数に使用したモデルが統計的に有意なモデルとして選択される結果となった. 以上の成果を国際会議に投稿し,二つの会議(ESEM2014, QuASoQ2014)にて採録されて発表を行った(ESEM2014 はポスター発表).現在,これらの成果をまとめた論文を学術雑誌に投稿中である. また,前年度から引き続きリファクタリングとの関係分析も進めており,その成果を国際会議(SEAA2014)並びに国内ワークショップ(FOSE2014)にて発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度は国際会議に投稿した論文が不採録となってしまっていたが,そこでの査読結果を参考に研究内容のブラッシュアップを図ることができ,結果として研究が推進し,他の国際会議で採録されて発表できるまでになった. 論文発表実績も当初の計画に概ね沿っており,このままのペースを維持しつつ最終年度も引き続き成果を挙げていく予定である.
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今後の研究の推進方策 |
現在,昨年度から引き続き研究分担者と共著で学術雑誌に論文を投稿中であり,別途,国際会議並びに国内ワークショップへの論文投稿についても準備を進めている. 仮に採録されなかった場合でも不採録理由(査読コメント)を参考に研究の問題点を解消していく所存である. 今年度は,昨年度の後半から取り組み始めた「開発者情報」についてもデータ収集と分析を行い,開発者特性によってデータの分類を行うことで,コメント文の功罪についての研究を成熟させていく予定である. 今年度も引き続き,研究分担者と協力して学術雑誌や国際会議へ少なくとも 2 件以上は投稿するように準備していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者とともに参加を計画していた国際会議のうち,無事に採録されて参加・発表となったものもあったが,不採録になったものもあり,参加旅費及び参加費として予定していた助成金を一部執行できなかったことが理由である.
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次年度使用額の使用計画 |
現在,国際会議及び学術雑誌に投稿中であり,それぞれ採録されることで旅費,参加費及び論文掲載料として助成金を計画通り執行していく予定である. また,これまでに試作したデータ収集ツールの整備とデータの整理について,大学院生の雇用を予定している.
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