研究課題/領域番号 |
25330090
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
角田 雅照 近畿大学, 理工学部, 講師 (60457140)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ソフトウェア保守 / 作業効率 / コスト / ベンチマーク / 統計的分析 / 企業横断的データ |
研究概要 |
本研究の目的は,ソフトウェアの保守とシステム運用それぞれの効率が高まるように,計画立案を支援することである.そのためのアプローチとして,企業横断的に(複数の企業から)収集したデータを用いて,それぞれの作業効率ベンチマークの作成,及び効率予測モデルの作成を行う.今年度は,主にソフトウェア保守の効率ベンチマークの作成に向けて,保守の作業量(総作業時間)と各変数との関連の分析を行った. 平成24年度に収集された134件の事例に対し,統計的な分析を行った.具体的には,保守実施プログラム本数と分析対象の項目(システム構成など)1つを説明変数として重回帰モデルを作成した.モデル構築時には変数選択を適用した.その結果,「システム構成がWeb系である場合,作業量が多くなる(作業効率が低くなる)」,「開発言語がJavaである場合,作業量が多くなる」,「業種が金融業,保険業である場合,作業量が多くなる」,「ツール要因が厳しくない場合,作業量が少なくなる」,「適応保守が全体の保守作業の半分以上を占める場合,作業量が少なくなる」傾向が見られた.ここで,「作業量が増える傾向がある」とは,「作業効率が低くなる傾向がある」ことを示し,「作業量が減る傾向がある」とは,「作業効率が高くなる傾向がある」ことを示す. 分析より,保守のベンチマーク利用時には,主にシステム構成,開発言語,業種,ツール要因,保守種別に着目すれば良いといえる.この分析結果に基づき,作業効率のベンチマークとして,それらの変数で層別した場合の作業効率の箱ひげ図を作成した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度では,ソフトウェア保守の効率ベンチマークの作成がおおむね成し遂げられた.このため,研究の目的達成に対し,本課題は順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
現在まで順調に研究計画が進行しているため,同様の方法で引き続き研究を推進する.今後は当初の予定通り,システム運用の効率ベンチマーク作成と,ソフトウェア保守,システム運用それぞれの効率予測モデルを構築することを目標とする.
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度の分析においては,購入を予定していた統計ソフトなどが不要であったため,購入しなかった.そのために,使用金額に差が生じた.また,事務処理が間に合わなかったため,論文誌印刷費 約18万円を次年度支出とした.この費用が,次年度使用額が生じたもうひとつの理由である. 次年度の分析では,統計ソフトなどの購入が必要である.そのため,それらの購入に助成金を利用する予定である.また,論文誌印刷費 約18万円を支出予定である.
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