研究実績の概要 |
Ambient Calculusの拡張である多重Ambient Calculusおよび時間付きAmbient Calculusに基づく物流監視システムの構築にかかわる以下の研究を行った。 (1) 従来提案していた時間付きAmbient Calculusの定義に修正を加えた混合型アンビアント計算を提案し、他の研究機関で提案されているtimed mobile ambientとの記述力の差異を評価した。 (2) 混合型アンビアント計算により物流システムを記述する際に満たすべき条件を考案し、多くの物流システムがその条件を満たす形で定義できることを示した。 (3) 混合型アンビアント計算により記述された物流システムの効率的なモデル検査法の検討を進めた。 (4) 多重Ambient Calculusにより大規模な海上物流システムを記述する際に、物流計画の変更に容易に対応しうる記述法を検討し、それを適用した模擬的な物流システム監視実験、ならびに計算機シミュレーションを行った。 以上のうち(1), (2)についてはほぼ検討が収束し、現在論文誌への投稿準備中である。(3)についてはアルゴリズムの見直し、およびその実装作業の過程にあり、今後、検証実験などをへて成案をえることを予定している。(4)については、実際の海上物流に準じた実験とみなすには、物流計画の変更に意思決定およびそれを現場の作業者に伝達するプロセスについていくつか不備な点があるとの指摘をうけ、見直しを行っているところである。
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