研究課題/領域番号 |
25330106
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岡村 耕二 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 教授 (70252830)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 省電力 / 新世代ネットワーク / キャッシュアルゴリズム / 人気値 / オープンデータ / ICN / CCN / セキュリティ |
研究実績の概要 |
平成27年度は、本研究の総合的なまとめとして、消費電電力の低減と、通信効率を両立する新世代ネットワークのキャッシュ方式の研究を行った。本研究では、通信機器の消費電力、ストレージシステムの消費電力、通信時間、キャッシュヒット率をそれぞれ、最良にするためのパラメータをシミュレーションから求め、その条件で従来の方式よりも消費電力、通信効率ともに優れた値を得ることができた。さらに、新世代ネットワークのキャッシュアルゴリズムに、従来用いられているアクセス頻度に、利用者の人気度(popularity)を加えることで、コンテンツの内容を考慮した新世代ネットワーク用の効率の高いキャッシュアルゴリズムを開発した。さらに、このアルゴリズムを、福岡市の公開している災害時の緊急車両の出動に関するオープンデータに適用し、緊急車両をICN のコンテンツ、車両基地をキャッシュに見立て、緊急車両の稼働効率の高い配置条件を求めることが可能であることを示し、本研究の社会システム上への応用力があることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究によって、新世代ネットワークにおける、消費電力の低減と、通信効率の向上を両立できるアルゴリズムを開発することができた。また、社会システム上の応用にも発展的に取り組むことができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度の研究の一部は、本代表者の指導のもと、2名の修士学生とともに行われ、この研究成果の一部はこれらの学生の修士論文にまとめられている。しかし、研究成果の対外的な公表を行っていないため、今後は得られた成果を対外的に公表する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者は、平成26年度から九州大学のサイバーセキュリティに関する研究、業務を新規に遂行することになったが、センターの長を勤め、本研究計画当初の想定よりも多忙であった。さらに、サイバーセキュリティの研究を進める上で、本研究課題にも、セキュリティに関する事項を採り入れるべきであると考えた。このため、研究を延長し、セキュリティのことを考慮したネットワーク機器の省電力運用に取り組む。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度に研究した内容にセキュリティのことを加えた内容で、研究成果の公表等の活動を行う。
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