研究課題/領域番号 |
25330111
|
研究機関 | 日本工業大学 |
研究代表者 |
平栗 健史 日本工業大学, 工学部, 准教授 (90582817)
|
研究分担者 |
吉野 秀明 日本工業大学, 工学部, 教授 (00644816)
神野 健哉 日本工業大学, 工学部, 教授 (50286762)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | MIMO / MU-MIMO / 仮想ネットワーク / アクセス制御 |
研究実績の概要 |
平成25年度までに蓄積した評価データをフィードバックし,更に詳細な計算機シミュレーションモデルに対して評価を継続して行った.また,評価を継続して進めていく上で,複数基地局の連携に当たりアクセス制御のアルゴリズムを見なおすことにより,隣接した基地局との協調伝送のための整合性を図った. 更に計画当初は,FPGAなどのソフトウェア無線装置を導入し,考案技術を実装して実験を行う予定であったが,予定していたGUN Radioの実装は,詳細な調査結果から評価が可能なレベルの実装が難しいことが判明した.そこで,伝搬特性などの物理層データのみを実験により取得し,計算機シミュレータの評価パラメータとしてフィードバックすることにより,考案技術確立のための計画遂行に対処した. 昨年度に得られた結果は,電子情報通信学会ソサイエティ大会と総合大会において発表し,また,電子情報通信学会コミュニケーションクオリティ研究会においては招待講演の依頼を受け,発表を行った.発表内容は,シングルセルのネットワーク環境において,考案方式が有効に動作することを確認し,これらのデータを元に,オーバラップしたセルで,且つ複数の端末が競合するネットワーク環境においても動作することをスループットおよび伝送効率から確認している. 本研究に関連した内容で,物理層データも含めたアクセス制御の伝送効率についてMIMO(Multiple Input Multiple Output)およびMU-MIMO(Multi User-Multiple Input Multiple Output)を対象に評価している.これらの評価結果をまとめることにより,電子情報通信学会英文論文誌において,推薦論文として投稿し,現在,採録の通知を頂いている.本論文については,掲載が平成27年度の予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的に対し,平成26年度は,ほぼ計画通りに進展している.ただし,FPGAなどのソフトウェア無線装置を導入した実装実験は,予定していたGUN Radioの実装が当初の計画と異なり困難となり,急遽,伝搬特性などの物理層データのみを実験によって取得した.取得したデータは,計算機シミュレーションのパラメータとして用い,アクセス制御の評価を可能な限り現実システムに近い状態で評価することが出来たと考える.
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進の方策として,研究期間の最終年度となるため現在までに取得したデータをまとめることを中心に行う.また,まとめた結果は,国際会議や査読付き論文として投稿し,これまでの研究成果について対外的に評価を仰ぐこととする.ただし,研究成果をまとめるに当たって,不十分なデータや今後の研究へ発展させるような内容については今年度も継続して,計算機シミュレーションの評価や実験を行っていく予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
FPGAなどのソフトウェア無線機を導入予定であったが,当初の計画を変更し,システム装置としての評価ではなく個別の物理的実験によって研究の修正を行った. このため,ソフトウェア無線機の導入経費が残ってしまった.
|
次年度使用額の使用計画 |
本年度では,システム装置としての評価の代わりに,取得した物理的実験データを計算機シミュレーションで利用し継続して評価を行うことを予定している.このため,平成27年度上旬の早い時期に,計算機シミュレーションサーバを強化するために,サーバマシンの追加と,並列処理を行うためのソフトウェアを導入する予定である.
|