研究課題/領域番号 |
25330112
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
屋代 智之 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (60306397)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 高度交通システム / モバイルエージェント / 緊急車両支援システム |
研究実績の概要 |
平成28年度も,平成27年度に引き続きシミュレータの改良並びに機能追加によるNA(Nomadic Agent)の通信システムの評価を行った.アプリケーションとしては,平成27年度に引き続き緊急車両に対する現場急行支援システム(FAST)を想定し,また,車両間通信を用いたNAシステムの評価実験を行うためにドライビングシミュレータの開発も並行して行った. FASTを想定した評価では,交差点に存在するNAが信号や緊急車両のサイレンの代わりに緊急車両の接近を周辺車両へ知らせ,回避行動を促すという手法に関する評価を継続して行っている.本システムを評価するために,エージェントシミュレータを利用しているが,実際のドライバの挙動はエージェントシミュレータでは十分に再現できないため,その部分を評価する目的で並行してドライビングシミュレータを開発している.これを用いることで,ドライビングシミュレータ上でユーザが操作する一般車両が,信号やサイレン,あるいはNAを通して通知された緊急車両を回避する動きを比較し,どのような通知の仕方が最適であるかを評価することが可能となる.また,複数のドライビングシミュレータを組み合わせることで,周辺の車両の挙動による影響や,さらに緊急車両を回避するために挙動が変化した車両によるNAに対する影響を評価することが可能となる.現時点では,ドライビングシミュレータとエージェントシミュレータの結合が十分にできていないが,この二つのシミュレータを有機的に組み合わせることによって,交差点に配したNAの有効性を評価できるものと考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は,移動体通信システムを活用した形でのNA評価を実施する予定であったが,アプリケーションの評価を先行して行なっているために,移動体通信システムを併用する形でのシミュレーションの実装が遅れてしまっているため.
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今後の研究の推進方策 |
当初予定にあった,移動体通信システムを活用する形での性能評価を実施する.また,WiFi-Directなどを用いた実装についても検討を進め,スマートフォン上への実装,実証実験を通じて,NAシステムの問題点の洗い出し,実用化へ向けた検討を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度の研究が目的とする部分まで到達しなかったために,年度内に新規にPCを購入して評価することができなかったため.
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は,スマートフォンを用いた実装及びシミュレーションを行う予定であり,複数のシミュレータを統合した評価環境も完成する予定である.このため,次年度使用額は当初予定していたPC購入費に充てる予定である.
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