研究課題/領域番号 |
25330113
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
戸辺 義人 青山学院大学, 理工学部, 教授 (60327666)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | モバイル / モバイルセンシング |
研究実績の概要 |
ユーザ参加型センシングにおけるインセンティブモデル SenseUtilの確立を目指す中で、平成26年度には、前年のモデルに基づき、具体的なシステムを2件、構築した。1つ目は、ユーザが街中で録音する音から自動車通過音を抽出し、自動車トラフィックを推定するものである。マイクで集音した音から周波数スペクトルに分解し、自動車通過に特有の2-3 kHz の成分を抽出した後に、時間領域での強弱推移から通過を判別するアルゴリズムを採用した。もう1件は、自転車で走行する人から、路面情報を抽出するもので、どちらも相模原市の地図に重畳させることで可視化するものである。自転車走行車が身体に装着する携帯電話の加速度信号には、路面に由来する信号と体の揺れに由来する信号が重畳している。そこで独立成分分析にて2つの加速度信号を分離して路面情報のみ抽出した。現在、POI (Point of Interest) に対するユーティリティは一意にしていて、ユーティリティの差による差異は含めていない。前年度開発した、Javaの SenseUtil のシミュレータには相模原市の実空間データを与えてシミュレーションをすることが可能となった。 平成26年度の研究成果は、2件の査読付き国際会議論文と、1件の学会発表論文にまとめることができた。特に、1件は情報処理学会研究会にて、優秀発表賞を受賞することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度には、SenseUtil の基本モデルに基づいた Javaシミュレータに、実際の空間情報を取り込み、実場面に対応したシミュレーションが可能となった。また、スマートフォンに、音マップ作成用アプリケーションと自転車路面情報抽出アプリケーションを開発することができ、プロトタイプシステムも完成し、本研究開始時の予定どおり進んでいる。学会発表も順調に進んでおり、平成26年度にも情報処理学会研究会で優秀発表賞を受賞することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度に開発したスマートフォンアプリケーションは2つが個別に動いており、連携に欠けていて、SenseUtilで定めるPOI のユーティリティ関数を含ませる点が欠けている。平成27年度には、この点を解決して、SenseUtil のソフトウェアと完成させる。またシミュレーションによる検証を終える必要がある。平成27年度は、本研究の最終年度として、実験とシミュレーションの統合を終えて、当初目標を達成させる予定である。
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