• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

マルチホップ無線中継技術をベースとした自律分散型地域情報流通ネットワークの研究

研究課題

研究課題/領域番号 25330116
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京都市大学

研究代表者

山本 尚生  東京都市大学, 工学部, 教授 (60350229)

研究分担者 宇谷 明秀  東京都市大学, 工学部, 教授 (70277705)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード無線LANメッシュネットワーク / 無線センサーネットワーク / ルーテイングプロトコル
研究概要

本研究では、無線センサーネットワーク(WSN)と無線LANメッシュネットワーク(WL-MN)の融合、連携 により、「アクセスネットワーク機能(インターネットへの広域アクセス機能)」、「情報センシング機能」、および「センシング情報と地域内情報の流通機能」を提供する多目的情報流通基盤を実現するための設計・制御技術の確立を目指している。平成25年度は下記の項目を中心に検討を進めた。
(1)WSNカバーエリア大規模化と稼働寿命延伸のための制御法の検討
特定のエリヤやノードの電力消費が進む、所謂ホットスポット問題への対応として、制御パケットのフラッディング(制御信号を全センサへ伝達する際に多用される伝達手法)の効率化を最重要課題とした。進めてきた高次元最適化問題解決手法の一つである探索型粒子群最適化法の適用検討を継続し、従来よりも電波伝搬環境変動への適応性の高い通信制御法および送信電力制御と組合わせることにより、制御信号フラッディングの高効率化への目途を得た。
(2)WL-MN大規模化に伴う通信品質劣化克服対策の検討
A.端末間の通信頻度の増加に伴い、特定ノードに着トラヒックが集中して、ネットワーク全体の性能低下をきたす現象が危惧される。これに対して、制御信号量を増大させずに発信側ノードで適切なトラヒック規制を行う方式を発案し、基本動作の確認を行った。B.リアルタイム系のアプリケーションにおいて、複数セッション間の電波干渉によりサービス品質を維持できなくなる現象が懸念される。これに対処するために被干渉ノード数をメトリックとする新しいルーテイングアルゴリズムと既存プロトコルへの実装法を提案し評価実験を進めた。C.指向/無指向性アンテナの双モードで動作するメッシュノードの提案とその導入法について基本検討を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度(25年度)に計画した、(1)センシングカバーエリア大規模化と稼働寿命延伸のための制御アルゴリズムの検討 および (2)無線LANメッシュネットワーク大規模化に伴う通信品質劣化克服対策の検討 を概ね順調に進めた。特に、(1)における、ホットスポット問題への対応として、制御パケットのフラッディング効率化法に関しては、これまで進めてきた高次元最適化問題解決手法の一つである探索型粒子群最適化法の適用検討を大きく進展させることができた。また、(2)における、リアルタイム系アプリケーションのサービス品質維持を目的としたルーテイングプロトコルの検討は、計画にはなかった課題であるが本研究の目的達成に大きく貢献できる内容である。
一方、(2)において計画していた、特定ノード着トラヒック集中時のネットワーク性能低下を回避する制御法および、指向/無指向性アンテナの双モードで動作するメッシュノードの提案とその導入法については、それぞれ基本検討を開始したが、提案方式の性能評価実験が遅れている。シミュレーション実験の環境(プログラム作成等)は整いつつあるので次年度に対応できる。

今後の研究の推進方策

WSNセンシングカバーエリア大規模化と稼働寿命延伸のための制御アルゴリズムの検討を継続すると共に次の課題を加える。
センシング可能エリア遍在化維持への対応技術(センシングカバーエリアの維持)の検討 および ソーラ充電および環境発電技術の適用法の検討: 25年度のフラッデイング効率化の検討で開発した高次元最適化問題解決手法と組み合わせた制御法の検討をさらに深め、また、ソーラ充電を想定した場合は、従来の制御法と異なり、太陽光の照射時間帯に合わせて、充電可能状態にあるノード数を最大化(満充電状態のノードを少なく)するために、バッテリ容量と太陽光照射が不均一な実際の状態を想定した制御アルゴリズムの確立を目指す。また、無線LANメッシュネットワーク大規模化に伴う通信品質劣化克服対策の検討に関してはトラヒック制御として次の課題に取り組む。
中継ノード輻輳および特定対地集中過負荷へのトラヒック制御技術: 特定のエリヤを着対地として集中する通信に起因する輻輳、いわゆる、特定着対地集中過負荷への対応を、着対地から発信対地へ受信可能量を通知するトークン型のトラヒック規制法をベースとして検討し、既に提案している迂回経路型制御との連携法を探る。加えて、指向/無指向性アンテナの双モードで動作するメッシュノードの提案とその導入法についての検討を進める。

次年度の研究費の使用計画

この次年度使用額は端数として発生した残高である。
平成26年度使用予定額の消耗品費の変動分として吸収する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 無線メッシュネットワークにおける干渉ノード数を考慮した経路構築法2014

    • 著者名/発表者名
      朝比奈啓 , 山本尚生
    • 雑誌名

      電子情報通信学会 信学技報

      巻: Vol.113 No.405 ページ: 99,104

  • [雑誌論文] コンピュータネットワーク時代のネットワーク信頼性評価・設計法の一検討2014

    • 著者名/発表者名
      吉村優太 , 林正博 , 山本尚生
    • 雑誌名

      電子情報通信学会 信学技報

      巻: Vol.113 No.405 ページ: 93,98

  • [雑誌論文] 大規模無線メッシュネットワークにおける輻輳制御の検討2014

    • 著者名/発表者名
      高橋佑宗 , 山本尚生
    • 雑誌名

      電子情報通信学会 信学技報

      巻: Vol.113 No.399 ページ: 113,116

  • [学会発表] マルチパーポス無線センサネットワークにおけるフラッディング効率化の研究2014

    • 著者名/発表者名
      中里竜太郎, 山本尚生
    • 学会等名
      電子情報通信学会 2014総合大会
    • 発表場所
      新潟大学(新潟)
    • 年月日
      20140318-20140321
  • [学会発表] 無線メッシュネットワークにおける干渉ノード数考慮経路構築法の提案とOLSRへの実装実験2014

    • 著者名/発表者名
      朝比奈 啓, 山本尚生
    • 学会等名
      電子情報通信学会 2014総合大会
    • 発表場所
      新潟大学(新潟)
    • 年月日
      20140318-20140321
  • [学会発表] コンピュータネットワーク時代のネットワーク信頼性評価・設計法の一検討2014

    • 著者名/発表者名
      吉村優太 , 林正博 , 山本尚生
    • 学会等名
      電子情報通信学会 コミュニケーションクオリティ研究会
    • 発表場所
      東京都市大学(東京)
    • 年月日
      20140124-20140124
  • [学会発表] 無線メッシュネットワークにおける干渉ノード数を考慮した経路構築法2014

    • 著者名/発表者名
      朝比奈啓 , 山本尚生
    • 学会等名
      電子情報通信学会 コミュニケーションクオリティ研究会
    • 発表場所
      東京都市大学(東京)
    • 年月日
      20140124-20140124
  • [学会発表] 大規模無線メッシュネットワークにおける輻輳制御の検討2014

    • 著者名/発表者名
      高橋佑宗 , 山本尚生
    • 学会等名
      電子情報通信学会 知的環境とセンサネットワーク研究会
    • 発表場所
      ホテル奥道後 (松山市)
    • 年月日
      20140123-20140124

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi