本研究では,大規模並列コンピュータの通信ネットワーク上の通信状況を分かりやすく提示する可視化手法を開発することを目的としている.通信ネットワークのトポロジ上に通信の輻輳状況を関連付けて三次元表示する場合,数千ノード以上の大規模構成ではノードやリンクの表示が重なり,視点の奥側やネットワークトポロジの内側部分が判別できなくなる問題がある. 27年度は,ネットワークの輻輳状況などの直接の生データからデータ移動に関する特徴を抽出し,通信パターンに対応した輻輳状況のエッセンスのみを抽出・表示する技術を開発した. ネットワークシミュレータから得ることのできる,ネットワーク中の全てのスイッチの統計情報から,「X軸方向とY軸方向と交互に通信している」のように観測している通信パターンを抽出した.今回はこの特徴抽出にkmeans法を用いた.実機やネットワークシミュレータから得られた,各スイッチのポートごとの通信状況をクラスタリングし,それぞれのクラスタに適当に着色してネットワークトポロジ上に表示することにより,通信パターンの変化を捉えることができた.
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