研究課題
今年度も科学研究費補助金を用いて、主にDFA(Differential Fault Analysis:差分故障攻撃)研究のための設備拡充、研究発表、国際会議への旅費の補助などを通じて、研究を推進した。既に得られている成果の一部として、研究代表者、研究分担者の研究成果について述べる。今年度、神永(研究代表者)は、研究分担者および鈴木利則教授と共に、RFIDタグに実装されたラビン暗号の公開鍵にフォールトを入れることでUID(Unique ID)を再構成するDFA手法について研究し、その成果を論文誌に投稿した。この手法で攻撃する場合、通常の平方剰余計算では考慮されていない特殊な状況が頻繁に出現するが、そのような場合にもUIDを再構成できる方法を示すとともに、根の個数を与える公式を示した。公開鍵へのフォールトは、1バイトをランダムに破壊するものの他、データ転送時に命令スキップを行う方法を検討し、いずれの場合も高い確率で短時間のうちにUIDを再構成することができることを確認した。吉川(研究分担者)は、命令バイパスを用いたラウンド加算攻撃により、軽量ブロック暗号64-bit KLEINおよび64-bit LEDを破る方法を考案し、国際会議ICACPS2015にて発表した。志子田(研究分担者)は、これらの研究におけるDFA実験評価、シミュレーション評価に貢献した。これらの研究成果は、すべて出版、あるいは出版準備中である。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件)
Proc. ICACPS2015, Dubai, UAE, World Academy of Science, Engineering and Technology
巻: 17(9)(Part X) ページ: 1743-1746
IEEE Transactions on Information Forensics and Security
巻: 10(7) ページ: 1394-1401
10.1109/TIFS.2015.2411213