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2013 年度 実施状況報告書

検索可能暗号の機能拡張の研究

研究課題

研究課題/領域番号 25330161
研究種目

基盤研究(C)

研究機関情報セキュリティ大学院大学

研究代表者

土井 洋  情報セキュリティ大学院大学, 情報セキュリティ研究科, 教授 (70338656)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード検索可能暗号 / プライバシ保護
研究概要

近年,インターネットを介したクラウドサービス等の第三者が提供するサービスの利用が活発となっている.本研究では,暗号化対象に関連付けられた情報を利用した検索機能に対し,利便性を向上させる方式の提案,およびその安全性の確立に関する研究を推進している.具体的には,検索可能暗号に対して,復号可能者の指定等を含む様々な条件を柔軟に設定可能とするための機能付加,性能向上に関する研究を行う.これらの機能が実現できれば,暗号化データをクラウド上に配置するというサービスの利便性とセキュリティを高めることができる.
平成25年度は,共通鍵暗号ベース,および公開鍵暗号ベースの検索可能暗号の既存の研究成果を調査し,それを基にモデルの検討を行った.まず,共通鍵暗号ベースの方式については,完全一致検索以外の検索に関する既存研究等を主な対象とし,他の様々な拡張に関して調査研究を進めた.一方,公開鍵暗号ベースの方式については,条件を柔軟に設定可能とするために有益な属性ベース暗号,述語暗号,関数型暗号等を中心に調査研究を行った.
これらの調査研究を通してモデルの検討を進めた.モデルの検討は,安全性要件を定義すること,すなわちセキュリティモデルの検討にも大きな影響を与える.このため,これらの検討については研究協力者等と協力し,複数回の議論を重ねた.検索可能暗号のモデルに関する様々な角度からの検討の結果,多くのモデルおよび方式提案がなされているものの,現時点のクラウドサービスの進展等を考えると,ニーズの反映や性能面についてギャップがあるものがあることがわかった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究では,暗号化対象に関連付けられた情報を利用した検索機能に対し,利便性を向上させる方式の提案,およびその安全性の確立に関する研究を推進している.具体的には,検索可能暗号に対して,復号可能者の指定等を含む様々な条件を柔軟に設定可能とするための機能付加,性能向上に関する研究を行う.
平成25年度は,復号可能者の指定等を含む検索に関する条件の柔軟な設定に関し,様々な角度からの検討を行い,モデルの確立を図った.このため,共通鍵暗号ベース,および公開鍵暗号ベースの検索可能暗号の既存の研究成果を調査し,それを基にモデルの検討を行った.特に,共通鍵暗号ベースの方式については,完全一致検索以外の検索に関する既存研究等を主な対象とし,他の様々な拡張に関して調査研究を進めた.一方,公開鍵暗号ベースの方式については,条件を柔軟に設定可能とするために必要な属性ベース暗号,述語暗号,関数型暗号等を中心に調査研究を行った.
モデルの検討は,安全性要件を定義すること,すなわちセキュリティモデルの検討にも大きな影響を与える.このため,これらの検討については研究協力者等と協力し,複数回の議論を重ねた.この調査研究の中で,公開鍵暗号ベースの検索可能暗号の拡張に対し,有益な属性ベース暗号,述語暗号,関数型暗号等の方式の調査に多くの時間を必要とし,本年度までの達成度としては予定よりわずかに遅れていると評価している.しかし,検索可能暗号のモデルに関する様々な角度からの検討の結果,多くのモデルおよび方式提案がなされているものの,現時点のクラウドサービスの進展等を考えると,ニーズの反映や性能面についてギャップがあるものも少なくないと考えている.これらの知見を平成26年度以降の研究に反映させる予定である.

今後の研究の推進方策

平成25年度に得られた知見を基に,本年度は,復号可能者の指定等を含む検索に関する条件の柔軟な設定に関する研究を継続・推進する.具体的には,研究協力者等との連携による研究体制を維持し,秘密分散共有法等の機能を利用した検索権限の制御,完全一致検索以外の検索等の検索機能の拡張を中心に検討を進める.
検索権限の制御については,あわせて検索機能の拡張等を行うことも視野に入れており,秘密分散共有法以外の技術を使うことも検討する.完全一致検索以外の検索等については,様々な拡張が考えられる上,既存方式には安全性,効率の面で改良の余地があるものが少なくないので,研究対象を整理しつつ検討を進める予定である.また,これらと同時に,検索時にサーバに漏れる情報と処理性能の評価に関する研究にも着手することも考えている.これらについては,まず理論研究を中心に推進する予定である.
なお,平成25 年度からモデルについての研究を進めているが,現時点のクラウドサービスの進展等を考えると,ニーズの反映や性能面についてギャップがあるものも少なくないと考えている.クラウドサービス等の第三者機関の利用等を想定しているが,これらによるどのような攻撃を想定するかは重要である.逆に一定の信頼を置く場合には性能向上の可能性も考えらえる.第三者機関に求める詳細な要件等について検討を進める等,実現可能性を考慮した研究を推進する予定である.あわせて,いくつかの具体的な提案については,国内の研究会や国際会議等にて発表することを目指す.また,研究成果の一部については学術論文誌等での発表を目指す.

次年度の研究費の使用計画

現在までの研究の達成度としては予定よりわずかに遅れており,国内の研究会や国際会議等における研究成果の発表が平成26年度以降になったため.
平成25年度と平成26年度の研究成果のうち,いくつかの具体的な提案については,国内の研究会や国際会議等にて発表することを,また一部については学術論文誌等での発表を予定している.次年度使用額と平成26年度分の助成金については,当初予定に加え,これらに関する使用を増やす予定である.

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公開日: 2015-05-28  

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