シロイルカを対象として,物と記号,音の対応を理解させ,視覚と聴覚とで別々に学習したことが統合できるか検証した.その結果,異なる感覚系における自発的な対称性,推移性が成立することが明らかとなった.また,模倣は言語の理解においては重要な要素である.そこで任意の音(声)を被験体に模倣させたところ,優れた模倣能力が示された.被験体に動作と記号の対応を学習させることにより「取ってくる」という「動詞」の命名を試みた.その結果,いったん有意な正解率まで上昇したものの,中断期間後に再開したところ正解率,選択行動とも安定せず,「持ってくる」という試行が定着していないことが示唆された.
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