ステレオ画像対に基づいて高速かつ高精度な距離測定を実現することを目的として、本研究ではコストボリュームの傾斜変換を行う視差推定手法を提案した。近年、高精度な視差推定は誤差伝播法またはグラフ理論に基づいた大局アプローチにより可能であることが報告されているが、リアルタイム性の観点から局所並列演算で実装可能な局所アプローチに注目した。一般に、局所アプローチはテクスチャが弱い領域や物体表面がカメラ方向に対して傾いている場合には視差推定精度が劣化する。そこで、提案手法では物体の傾きを想定して、コストボリュームの傾斜変換を行った後に、エッジ保存フィルタ、または、水平および垂直方向の積分フィルタを適用する。
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