本研究では,話者照合システムに対する声真似(模倣音声)による成りすまし(詐称)攻撃の影響の分析と,模倣音声の音響特徴の分析を行った.本研究で独自に収録した一般人とプロの物真似タレントの模倣音声データを用いて分析を行った結果,一般人の模倣でも成りすましの成功確率が有意に上昇し,その影響が無視できないこと,プロのタレントの模倣は一般人よりも攻撃力が大きいことがわかった.また,「模倣のうまさ」を定量的に評価する手法を提案し,それによってプロの声真似が効率的に対象者の声質に近づいていることを明らかにした。
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