研究課題/領域番号 |
25330210
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
西田 昌史 同志社大学, 理工学部, 准教授 (80361442)
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研究分担者 |
山本 誠一 同志社大学, 理工学部, 教授 (20374100)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 多人数会話 / 話題内容 / 発話動作 |
研究概要 |
多人数会話において話題内容の違いによる発話動作の影響について分析を行うため、日本人学生3名による日本語と英語の会話音声を収録した。その際に、趣味などの自由な話題に関する会話(自由会話)と3名で協調して一定の結論に達する会話(目的会話)の2種類のデータを収集した。 収録した会話データに対して総発話時間、平均発話長の母語である日本語と第二言語である英語間での違いおよび話題内容の違いによる影響について分析を行った。その際、グループごとにTOEICスコアを用いて降順にRank1、Rank2、Rank3と順位付けを行うことで参加者の英語能力の違いを表現した。総発話時間および平均発話長に関して、使用言語と話題内容を被験者内要因とし、被験者の相対的な英語能力を表すRankを被験者間要因としてANOVA分析を行った。その結果、総発話時間に関しては使用言語の主効果と話題内容の主効果で有意となり、また使用言語と英語能力を表すRankの交互作用で有意傾向であることから、使用言語と英語能力、話題内容の違いがそれぞれ総発話時間に影響することが示された。さらに、平均発話長に関しては使用言語の主効果で有意となり、使用言語の違いが発話の長さに影響することが示された。 会話の活発さを示す総発話時間での評価では、会話テーマに関わらず第二言語である英語よりも母語である日本語での会話でより多く話す傾向が示された。また、話題内容に関しては、3人で協調して結論を出す目的会話の方が趣味などの自由会話よりも発話時間が短くなる傾向が示された。なお、英語能力の最も低い話者の発話時間が英語発話では短くなる傾向が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多人数会話における話題内容の違いが発話動作にどのような影響を与えるかを分析することが目的であり、分析対象のデータとして新たに3名による自由会話と目的会話の2種類の会話音声を収録することができた。そして収録した音声データに対して、自由会話と目的会話において総発話時間と平均発話時間がどのように影響するかを明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き3名による自由会話と目的会話の会話音声を収録していき、より多くのデータを対象に話題内容の違いが発話動作にどのような影響を与えるかを分析していく。また、収録した会話音声を対象に話者の交替を検出する技術ならびに、各発話を同一話者ごとに分類する話者分類技術の開発を進めていく。
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