研究課題/領域番号 |
25330211
|
研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
藤田 和弘 龍谷大学, 理工学部, 教授 (90209049)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 近紫外LED光源 / 主成分分析 / 独立成分分析 / 布の付着物 |
研究実績の概要 |
科学捜査における現場での微物の発見を目的として,白色LED及び近紫外LEDなどを光源として用いて撮影し,画像処理により付着物の鮮明化を行うことを,3年間の研究目的としている.研究過程は,色成分の分解とテクスチャ画像の構造成分の低減に分けることができ,初年度である平成25年度は,主に色成分の分解の研究を行い,2年度目である平成26年度は,主にテクスチャ構造成分の低減の研究を予定していた. 平成26年度は,テクスチャ構造成分の低減を行うために,コサインスペクトルを利用したテクスチャの構造周期を検出することを行い,つぎに,その構造周期をもとに画像に対してブロック分割を行い,独立成分分析により求めた基底画像を用いて近似画像を作成し,元画像との差分を求めることにより,テクスチャ構造成分の低減処理を行う方法を考察した.その際に,独立成分分析として,展開係数の確率密度関数にラプラス分布を仮定することにより,従来のコーシー分布を仮定する手法より,高速に基底画像を求められることがわかった.また,独立成分分析を行う際,展開係数の更新と基底画像の更新を逐次行う反復アルゴリズムにおいて,各反復処理ごとに展開係数に関してhard thresholdを行うことにより,画像中の変化の激しい部分を反映した基底画像が生成できることがわかった.これにより,テクスチャ構造成分の抽出が,従来の主成分分析を基礎として行うよりも,良好な結果が得られると考えられる. また,独立成分分析を行うために,高速な計算機が必要であり,高速なノートパソコンを購入した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
テクスチャ構造成分の低減を目的として,独立成分分析を基にした基底画像を求める画像処理手法を研究したが,高速かつ有効な方法にたどり着くまでに,かなりの時間を要し,その後,計算機シミュレーションと画像処理手法の改善を行ったため,研究自体は,若干遅れ気味である.しかしながら,画像処理手法はほぼ確定したので,さまざまな対象について,画像処理実験を早急に行うことにより,この若干の遅れは取り戻すことができると考える.
|
今後の研究の推進方策 |
科学捜査における現場での微物の発見を目的として,白色LED及び近紫外LEDなどを光源として用いて撮影し,画像処理により布の付着物の鮮明化を行うことを,3年間の研究の目的としている.研究過程は,色成分の分解とテクスチャ画像の構造成分の低減とに分けることができ,初年度である平成25年度は,主に色成分の分解の研究を行い,2年度目である平成26年度は,主にテクスチャ画像の構造成分の低減に関する画像処理アルゴリズムの研究を行った.残念ながらテクスチャ画像の構造成分の低減に関しては,画像処理実験が十分でなかった. 3年度目である平成27年度は,若干遅れ気味であるテクスチャ画像の構造成分の低減に関して画像処理実験を早急に行った後,実験データの整理を行い,学会発表を行うととともに,論文投稿に向けた研究成果の総括を行う.また,龍谷大学が主催する産学連携行事などにおいて,研究成果をポスター展示するなどの研究成果の公開に努める.
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初,研究発表を2回予定していたが,平成26年度は,研究発表を1回しか行なっていないため,旅費に差額が生じたことと,画像処理アルゴリズムの考察が若干遅れたことから,アルバイト雇用による画像処理実験の準備が十分にできず,人件費として予定していた額と差額が生じたことが,理由として挙げられる.
|
次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は,研究発表及びアルバイト雇用による学生実験を,計画的に進める予定である.
|