研究概要 |
災害時の情報獲得として,カメラを搭載した小型ヘリコプタを用い,重要な視点に誘導して情報を得ることは非常に重要である.動きながら映像を撮影すると,映像だけでなく3次元情報の復元が可能であることが知られている.しかしながら,簡易な模型ヘリコプタに搭載したカメラの映像では,撮影位置に依存したテクスチャを利用しなければ十分な画質が得られない.そこで,仮想視点を選択する毎に最適なテクスチャを選択し,十分な高画質を得ることを目的にした. 3次元形状を得る手法として, Structure from Motion (SfM) が挙げられるが, SfM はエッジ上の3次元特徴点が密に得られない. そこで, SfM とMulti-view Stereo (MVS) を組み合わせて密な3次元特徴点を推定する.次に, 特徴点群から面を生成し, テクスチャマッピングを行う.テクスチャマッピングにはサーフェイスが観測可能なカメラ位置を知る必要があり, カメラとサーフェイス間に他のサーフェスの存在を調べる可視判定を行う.観測可能な三角形パッチにテクスチャマッピングを施すが,搭載したカメラから得た映像は歪みが大きく,復元した3次元情報に重畳した誤差の影響で,面の接合部において歪みが大きく,撮影した原画像より質の低下した画像しか得られないことがある.そこで本研究では,再現する仮想視点に近いカメラのテクスチャを用いることで不適切な変形を防ぎ, 仮想視点に適したテクスチャマッピングを行い,従来手法で生成した仮想視点画像と本研究で得られた画像の画質を評価した. また,模型ヘリコプタであるARDroneの自律飛行を実現するための予備実験として,マーカを用いて位置・姿勢を補正しながら複数マーカ近傍を飛行する自律制御も並行して行った.
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