研究課題/領域番号 |
25330214
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
阿部 孝司 近畿大学, 理工学部, 准教授 (90367441)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 類似画像検索 / ゲシュタルト心理学 / 群化 |
研究実績の概要 |
本研究は、画像内に存在する複数の構成要素に対し「まとまって一つに見える」という人間の知覚特性を考慮して、画像パターンを認識することで有効的に機能する画像情報検索システムを開発するものである。これまでの申請者の研究成果を更に発展させ、まだ考慮できていない要因を群化領域認識に導入し、画像の検索・分類精度を向上させることを目的としている。 本研究の範囲は、(1)図形内の構成要素間の「連続性」「平行性」の群化強度を測定する特徴量の開発、(2)(1)の特徴量を導入した群化領域認識手法のカスタマイズと線状や点状の構成要素が大半を占める画像に対し作成された群化パターンの精度検証、(3)類似商標検索や種々の画像解析へ(2)を応用するための技術開発、の3つとしている。このうち、前年度は(1)と(3)の一部を実施したことを踏まえ、今年度は(1)の精度を前年よりも上げ、(2)の一部を実施した。さらに、(3)の開発を前年度に引き続き遂行した。商標図形を用いて(1)の精度を高め、これらを医用画像の解析や音信号を時間・周波数・音圧の情報を表現する時間周波数画像からの特徴抽出に対する前処理に適用した。 具体的な実績は次のとおりである。1.肺X線像の肋骨エッジを抽出するために連続性の特徴抽出手法を適用し、途切れ途切れに部分的に抽出されたエッジを1本に補間するシステムを開発した。2.胃X線像の胃領域内に存在するひだの平行性を測定し、健常胃を判別するシステムを開発した。3.内痔内視鏡画像内に存在するうっ血領域を認識するため、類似した色の画素集合を一まとまりの群化領域とみなす手法を開発した。4.実環境音を分類する研究において、音信号を時間周波数画像に変換し、画像から種々の環境音の特徴を抽出することにおいて、群化領域認識を前処理に適用し精度良く特徴量を抽出でき高い分類精度を持つ音信号分類システムを開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究範囲(1)~(3)のうち、(1)について、前年度は「連続性」要因のみに対する特徴抽出手法を開発したが、本年度はもう一つの「平行性」要因に対する特徴量を開発したことから、概ね順調に(1)が遂行されたことが伺える。しかし、これらの手法がさまざまな画像パターンに適用可能かどうかは検証する必要がある。(2)について、当初の研究計画に従い本年度着手し、いくつかの種類の医用画像を解析する前処理として群化領域認識手法を提案した。(1)同様、他の画像へ適用できるかどうかの検証を残しているが、その中でも動画像処理に適用できるか今後検証する予定である。(3)について、前年度同様、医用画像や音信号の解析に適用し、前年度得られた精度を更に高めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は、これまで提案してきた群化強度を測定するための特徴抽出手法を図形商標だけではなくさまざまな画像パターンに適用する。特に動画像処理への適用可能性を検証する。また、「大域的領域」を観察して知覚される群化領域認識手法を提案する予定である。具体的には、養殖魚の魚群認識や魚群内に存在する異常魚の判別に応用できるか検証する予定である。これは研究範囲のうちの(2)(3)に該当するものである。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定より論文誌・国際会議での採録件数が少なかった。国際雑誌への掲載料が予定していた金額より安く済んだ。
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次年度使用額の使用計画 |
国際会議への参加費・渡航費、および論文別刷代に使用する。また、本研究の動画像処理への適用を試みるため、別途、実験用カメラおよびPCを購入する可能性がある。
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