研究課題/領域番号 |
25330223
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
加藤 宏明 独立行政法人情報通信研究機構, ユニバーサルコミュニケーション研究所・音声コミュニケーション研究室, 主任研究員 (20374093)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 知覚認知学習 / 音声言語情報処理 / 聴覚 / 時間的側面 / 韻律 / 音声言語習得 / 国際情報交換 / 韓国:中国:アメリカ |
研究概要 |
本研究の目的は,第二言語の習得にあたって生じる困難を克服するための方法を、認知・知覚のメカニズムの側面から導き学習者に提供することである。より具体的には、第二言語として日本語、学習者の母語として韓国語と英語を想定し、音声の時間的要素に絞って、母語話者の知覚過程を模擬する計算機アルゴリズムを構築し、学習すべき時間要素を取り出して学習者に提示する枠組みを提供する。特に、日本語の中での出現頻度が高いにもかかわらず非母語話者にとって一般に習得が困難である、促音、長音などの特殊拍を対象とする。 平成25年度は,要素課題1として,母語話者モデルの構築に着手した。日本語母語話者が特殊拍を含む時間要素を知覚する過程のモデル化に該当する。このモデル化に必要な母語話者発話データベースの構築が25年度の中心課題であった。より詳細には,先行研究により取得した発話データに、本研究のために必要な時間情報に関するタグを付与する。タグのデザインとタグ付け作業が含まれるが,タグのデザインが完了し,一部データへのタグ付けを実施した。 要素課題2として,非母語話者向けの時間情報の表現形式を調査する。要素課題1によって抽出された抽象的な時間構造情報を、学習者が聞いて感じとることができる音として表現する必要があり,この表現を探索的に調査することが課題であった。25年度は、少数の非母語話者による実験的検討を、韓国語、英語の各話者で実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各要素課題別に見れば,予定より進んだものも,遅れが出ているものもあるが,全体としてはおおむね順調である。計画していた聴取実験も当初予定通りの規模で実施できた。
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今後の研究の推進方策 |
(1) 母語話者モデルの構築では,基礎となるデータベースの量と質との向上を加速させる。そのため,一部を外部へ委託する。 (2) 非母語話者向けの時間情報の表現形式の調査では,言語に依らず有効な表現を探索する。そのため,複数言語間の対照研究を取り入れる。 (3) 第3の要素課題として,モデルの実証実験に着手する。
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次年度の研究費の使用計画 |
データベース構築に関わる作業を外部へ委託する計画であったが,予定していた委託先の受託可能量が計画量に満たなかった。 次年度に残りの作業を委託する。
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