本研究は,脳波を用いて高速にコンピュータに入力するための研究である. 従来のP300 spellerでは,ユーザーに入力したい文字が点灯した際に点灯回数を数えるなどのタスクを与えておき,ディスプレイ上に格子状に配置された候補文字を行/列単位で点灯させ,タスク実行により出現するP300により文字特定を行う.我々は,点灯を行/列単位に拘らずに複数の文字を同時に点灯させ,なおかつ文字間の点灯/消灯パターンの相違を大きくすることで,高い文字識別精度で,識別までの所要時間を短縮する手法を着想した.結果として,従来法による文字入力結果に対して,我々の手法により約2.7倍の文字入力性能の向上が見られた.
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