研究課題/領域番号 |
25330226
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
長谷川 まどか 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80322014)
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研究分担者 |
加藤 茂夫 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (00143529)
篠田 一馬 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50639200)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ユーザビリティ / セキュリティ / 画像選択型認証 |
研究実績の概要 |
本年は,タッチパネル型携帯端末向けのグラフィカルパスワードの1つである,重畳画像選択型認証方式を対象とし,重畳画像自動生成のための客観評価指標の確立を行った.重畳画像は,視距離に応じて視認可能な画像が変化するため,近距離ではユーザの鍵となるパス画像,遠距離では別の画像が見える.このため,覗き見によるパス画像の盗難が困難となる.これまで,認証に適した重畳画像の自動生成を目的とし,SURF特徴量を用いた客観指標の検討を進めてきたが,必ずしも主観的な見え方と一致しない場合があった. そこで新たに,ユーザ側と覗き見攻撃者側双方における前景画像の視認性を考慮した客観評価値を考案した.それぞれの視距離について,重畳画像中の前景画像の視認性に関する主観評価実験を行い,得られた主観評価スコアと提案する客観評価値との間に高い相関があることを明らかにした.また,重畳画像選択型認証方式を実用化するための検討として,今回考案した客観評価値による重畳画像の選定実験を行い,スマートフォン端末を用いて重畳画像を表示し主観評価した結果との比較を行った.実験により,本評価値によって,認証に適した重畳画像を選定できる可能性を示せた. また,認証に使用する重畳画像の安全性向上を目指し,画像の改ざん検知と修復に関する検討も行った.Niu らの改ざん修復法では,訂正上限が最大距離分離符号に依存しているため,改ざんが訂正上限を超えた場合は修復できない.この手法では,情報記号数は画素の上位ビットの情報量,検査記号数は埋め込み容量で決定される.つまり,画素の上位ビットの情報量を削減すると,それらに対して割り当てられる情報記号数が減少するため,結果的に訂正能力の向上が期待できる.本研究では,画像の上位ビットプレーンに対して可変長符号化を施すことで情報記号数を削減し,修復画像の画質を維持しつつ訂正能力の向上を図った.
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