研究課題/領域番号 |
25330234
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
岡田 昌也 静岡大学, 情報学研究科, 助教 (10418519)
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研究分担者 |
多田 昌裕 近畿大学, 理工学部, 講師 (40418520)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | グループウェア / 教育工学 / 実世界学習 / 人工知能 / 状況推定 |
研究実績の概要 |
実際の社会で使える知識は,教科書の中よりも,むしろ実世界の状況の中に埋め込まれている.本研究の目的は,実世界における発見的学習の状況を,センサ情報から推定し,多様性を萌芽とした知識創造を支援することである.
平成26年度,学習者の身体にウェアラブルセンサを身につけさせて取得したモーションデータに対して,パターン認識を行うことによって,学習者の身体状況および知的状況の時系列的生起を推定する技術を開発した.例えば,一定滞留行為(学習者が実世界で重要学習に取り組む際に特徴的に出現する身体動作)の最中において,その行為に伴われる頭部挙動・上体挙動を加速度・角速度センサなどで計測し,学習者の姿勢を自動で推定することで,学習者が「実世界に埋められた情報」に対してアクセス行動を行っているか否かを,推定する技術を開発した.また,低レベルの信号情報(センサデータ)から身体状況を推定し,さらに,これを,場における知識の3次元分布情報をもとに解釈を積み上げることで,抽象度の高い知的状況を推定するシステムのフレームワークを開発した.加えて,実世界における学習者の注意と彼らの学習状況の関連性に関して,マルチモーダルな視点から分析するための学習分析方法論について開発を行った.
これらの研究は,実世界における発見的学習の状況を,センサ情報から推定し,「多様性を萌芽とした知識創造」を支援する技術の基盤となる成果である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実世界における学習状況の理解に基づく「多様性を萌芽とした知識創造」の支援において,実世界における身体状況,知的状況の推定技術は,重要な基礎技術である.平成26年度にこの基礎技術を開発・評価し,国際会議で査読付き論文として成果を発表するなど,研究の目的の達成に対して,順調に研究を進展させたと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究は実世界に内在する情報の構造を捉えるものであるが,平成26年度の研究は,実世界の中での人の振る舞いを捉えるものであり,実世界状況の理解に対して相補的に機能する技術を開発した.最終年度である平成27年度は,これらの研究成果をもとに本研究をさらに推進し,状況考慮型の学習支援技術を開発する.また,評価実験を実施して,多視点から提案手法を評価する.
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