研究課題
多くの障害者が自立を望んおり、自分で自動車を運転することは自立に有効である。障害者が自動車を運転する方法としては、障害内容に応じた補助装置を市販車両に取り付ける方法が一般的である。既存の補助装置は機械的な構造となっていることから、障害者個々に対してカスタマイズする必要があり、多くの場合、車両の改造に多大な費用がかかる。近年、全自動運転車の開発が積極的に行われており、それにより障害者の要望が満足されるように一見思われる。しかし、障害者の多くは自分で運転したいのであり、目的の場所まで移動出来ることだけを望んでいる訳ではない。それに対し、我々の研究は、角度センサを利用した操縦装置を自由に動かせる身体の部位に取り付けて操作することで、身体への取り付け治具を除き共通化出来ることから、障害内容に柔軟に対応可能としながらも自分で運転するという要望を実現している。角度センサを利用して操縦インタフェースを開発し、ドライビングシミュレータおよび実験用電気自動車PIUSを使い、サリドマイド禍により両手に障がいのある方にも協力して頂き、走行評価してきた。その結果、急角度のコーナを除けばハンドルに近い操縦性能で走行できることが確認できた。角度センサとしては、Flex sensorの他、電磁材料研究所のCr-N薄膜センサ、東洋測器の曲げセンサTMI-160を利用し、評価した。評価した結果、総合的には東洋測器のTMI-160が商用に向けて利用するのに良いとの結果となった。急角度のコーナについては、今後の課題である。1年目の研究成果はInternational Journal on Advances in Intelligent Systems(2013 vol.6 nr.3&4)に反映した。また、3年間を通した研究成果は情報処理学会 CDS研究会トランザクションに採録決定している。
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情報処理学会 CSDS研究会 トランザクション
巻: Vol.6, No.1 ページ: 1 - 11
情報処理学会 シンポジウムDICOMO 2015 プロシーディング
巻: 1 ページ: 258 - 264