研究課題
(1)裸眼ミクストリアリティシステムの構築:その一例として、ボードゲーム(チェス)のためのナチュラルユーザーインターフェース(NUI)を構築した。CGを用いて制作されレンチキュラー方式の3Dディスプレイに表示されたボードと駒の像は、ディスプレイの手前に飛び出して見える。駒を手指で掴んで動かすジェスチャーをすると、Leap Motionという手指に特化したキャプチャデバイスが手指の位置や形状を捉え、プログラムが指の動きにあわせて駒を移動させるので、利用者は力覚フィードバックがなくても、あたかも自分の指で駒を動かしているかのような錯覚が得られる。この成果をHCII 2015という学会で発表した。ただし今回は水平方向にのみ視差があるレンチキュラー方式を用いているため、立体像が見えている位置に手をのばしても、Leap Motionがとらえる手の位置と垂直方向にずれることがある。もしレンチキュラー方式をIPに変更できれば、この問題が解決すると期待できる。(2)水中インテグラルフォトグラフィを用いた仮想水槽:IPを用いた裸眼ミクストリアリティにおいては、大きな飛び出し量が求められるので、高精細ディスプレイと、焦点距離が長いフライアイレンズとを組み合わせる必要がある。しかし焦点距離の長いフライアイレンズは、金型が非常に高価であること、非常に高精度な加工技術が必要なこと、などの理由で製造困難である。われわれは平成26度迄に、フライアイレンズを、屈折率が空気とレンズ素材との中間であるような液体(たとえば水)に浸すことで、等価的な焦点距離を延ばす方法を提案し、これを応用したメディア・アート作品を発表したが、平成27年度はIPで表示された魚をアニメーションさせることで、あたかも水槽の中に魚が泳いでいるかのように見える仮想水槽を制作し、HCII 2015という学会で発表した。
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HCI International 2015 - Posters’ Extended Abstracts: Part Ⅰ
巻: CCIS 528 ページ: 552-557
10.1007/978-3-319-21380-4_94
Human Interface and the Management of Information. Information and Knowledge in Context
巻: LNCS 9173 ページ: 447-456
10.1007/978-3-319-20618-9_45