研究課題/領域番号 |
25330248
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
脇田 航 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (80584094)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | デジタルミュージアム / バイラテラル制御 / ハプティックセンシング / ハプティックレンダリング |
研究概要 |
本研究の目的は,熟練者の技能解明のために,手技工程を解析し,手の動きや姿勢・リズム,力の加減・方向,すべり,対象物の材質といった時系列触知覚パラメータを抽出することである.このために,まず,指の第一関節を模し,指の腹と対象物との接触力(力の大きさ,方向)を計測可能な指型の計測デバイスを開発し,次に,指型の計測デバイスを6自由度でバイラテラル制御し,接触力および対象物の質感を操作者が感じながら手指操作を行ったときの手指の状態,指先の位置・姿勢・接触力をリアルタイムに計測し,同時に,接触力からすべり方向を推定し,また,デバイス間の指先位置の差から対象物の形状や質感を推定することにより,これらの触知覚パラメータを時系列に抽出,再生・可視化し,道具や指先を使用する技能について有効性を評価する. 平成25年度は,指型の接触力計測デバイスの開発として,人の指先の第一関節を模した接触力を計測可能な指型の計測デバイス開発を計画していた.骨は3次元スキャンデータをもとに型をとって石膏で複製し,皮膚の部分は人肌ゲルを用いて指を模った.また,センサにかかる力データについては,Novint Falconを2台バイラテラル制御し,両者の位置の差からグリップにかかる三軸の力を推定可能にした.この力推定結果を応用し,タッチパネルを押したときの力とボタン等を押した力の差をもとにリアルな触感を推定する手法を開発した.この結果はコンピュータグラフィックスのトップカンファレンスであるSIGGRAPHに採択となった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画として挙げていた指の模型については,指紋までも再現可能なレベルで複製できるようになった.また,指の腹に圧力センサを入れる計画であったが,センサの精度やコスト,利便性の問題があり,また一方でバイラテラル制御による力推定のほうがより高精度に力推定を行えることから,計測方法を圧力センサからバイラテラル制御による手法へと切り替えた.平成25年度に予定していた計画としてはおおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り,平成26年度以降は,指型の計測デバイスを6自由度でバイラテラル制御し,接触力および対象物の質感を操作者が感じながら手指操作を行ったときの手指の状態,指先の位置・姿勢・接触力をリアルタイムに計測し,同時に,接触力からすべり方向を推定し,また,デバイス間の指先位置の差から対象物の形状や質感を推定することにより,これらの触知覚パラメータを時系列に抽出,再生・可視化し,道具や指先を使用する技能について有効性を評価していく.
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画していた指型センサ開発が非常に精度が問題となり,バイラテラル制御による手法に切り替えたことにより,当初予定していた圧力センサの購入を見送ったため. 力覚センシング法をバイラテラル制御による手法に切り替えたため,圧力センサではなく力覚装置の購入費や消耗しやすいモータ等のメンテナンス費に充てる予定である.
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