研究課題
最終年度は、以下のA.B.に記す通り、モジュール組換え型学習システムの研究開発を行った。その結果、研究期間全体としては、1)内容語とその意味の対応をモジュールで学習し、これに並行して、2)機能語に従って各モジュールからの出力を組み合わせる方法を学習することにより、極めて小規模のタスクに限った範囲で、発話の意味に沿う動作や内部処理をロボットが学習できることを示した。今後は、知識の自己創出的な獲得(獲得した知識が次の知識の獲得を促進すること)を可能にすることを目指す。A.発話の意味獲得の計算モデルの研究開発学習ロボットが発話する機能を付加し、発話機能の付加がヒューマン‐ロボット・インタラクションに与える効果を検討した。また、終助詞「ね」の働きのうち、共感を高める働きに注目し、学習システム側が共感する機能、および、共感を表出する機能を付加し、その効果を実験的に調査した。B.中長期インタラクションを可能にする技術の開発ロボットが相手を模倣することにより、人の側が持つロボットに対する印象がどのように改善されるかを実験的に示した。また、ロボットが失敗することで、人の側が持つロボットに対する印象と、人の側の行動がどのように変化するかを明らかにした。さらに、学習システム側が主導的な発話/応答的な発話を適切に切り替えることを、報酬から学習することを目指して対話システムを構築し、インタラクション実験を行った。また、リカレントニューラルネットワークを用いて、インタラクションモードの創発的な切り替えが生じうる学習システムを試作した。これらの成果は、いまだ実現されていない、人とエージェント間の中長期インタラクションを実現するための重要な要素技術に位置づけられるものである。今後は、さらに、必要な要素技術として、好奇心などの内発的動機づけの研究開発を行い、中長期インタラクションの実現を目指す計画である。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 2件) 備考 (1件)
信学技報
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2016年度 情報処理学会関西支部 支部大会論文集
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