研究課題
基盤研究(C)
本研究課題では,主に典型的な次のような構造を持つMAX-3-XORSAT(各節に含まれるブール変数の数が3のMAX-XORSAT)について,(A) 短いループが多数存在する疎なハイパーグラフで表現される問題の解析,(B) 2つの次数に相関のあるハイパーエッジを持つハイパーグラフで表現される問題の解析,(C)これらの課題についてのMAX-3-XORSATからMAX-p-XORSATへの拡張,を扱う,平成25年度においては,まず準備としてXORSATと数理的に類似した構造を持っているハイパーグラフの頂点被覆問題について,最小被覆率を統計力学的手法によって解析的に評価した.ハイパーエッジの次数分布が与えられたハイパーグラフを扱った.結果は英文国際論文誌に投稿準備中である.頂点被覆問題は集合被覆問題とも等価である.制約が与えられた解析が,いくつかの組み合わせ最適化問題について適用できることが確認された.現在,理論を検証するための数値実験や,ノードに次数制約がある場合についても解析を進めている.また,ループが存在する場合の解析的扱いについて検討を進めている.その他,関連する研究として,圧縮センシングの枠組みにおいて,可分な観測からの疎情報の再構成アルゴリズムを構成や,符号理論について非線形符号の重み分布を解析的に評価,本研究課題と数理的に関連の強いCDMA通信方式の反復復号アルゴリズムの解析,について3編の論文が英文国際論文誌に掲載された.
2: おおむね順調に進展している
次数分布などグラフの制約の取り扱いについて,頂点被覆問題など他の組み合わせ最適化問題へも適用して解析手法の有効性を確認した.短いループが多数存在する疎なハイパーグラフで表現される問題については,2つの次数に相関のあるハイパーエッジを持つハイパーグラフの扱いは,現在検討を進めているところである.
短いループが多数存在するハイパーグラフの扱いについて引き続き検討して解析を進める.また,2つの次数に相関のあるハイパーエッジを持つハイパーグラフの扱いについても同時並行的に解析を進めておき,2つの次数に相関のある場合を先に扱うことも検討する.
信号処理に関する国際会議の参加を当初の予定に追加した.これによって,物品の購入の控えていたため,少し次年度使用額が生じた.次年度の国際会議の参加の予算として充当する.
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)
IEEE Transactions on Information Theory (to appear)
巻: (to appear) ページ: 26 pages
(to apper)
IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences
巻: vol. E96-A, no.12 ページ: 2391-2397
Journal of the Physical Society of Japan
巻: vol. 82, no. 11 ページ: 115003, 2 pages
10.7566/JPSJ.82.115003