研究課題/領域番号 |
25330281
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
外山 史 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60323317)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | メタ戦略 / 最適配置 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、超大規模な配置決定問題に対する革新的アルゴリズムの開発である。初年度となる昨年度(平成25年度)では、超大規模な2次割り当て問題を対象に、アルゴリズムの開発を行った。具体的には、現在解と近傍解の評価値の差のリストである差分リストを作成する時間を削減するためのアルゴリズムを導入し、超大規模空間における解探索の効率化を実現した。 本年度(平成26年度)は、昨年度提案したアルゴリズムを改良することにより、超大規模探索空間における探索性能を更に向上させることについての検討を行った。具体的には、まず、昨年度提案したアルゴリズム(従来手法)における差分リスト更新時に、直前の交換要素を含む差分評価値の再計算を、計算済の値を用いることにより、計算時間の短縮を行い、高速に探索を行う手法を提案した。実験では、従来手法との比較を行い、すべての問題に対して良い評価値を得ることができた。次に、探索における初期値決定法についての検討も行った。これまでは、ランダムに初期値を決め、そこから局所探索を行っていたが、初期値の評価値が悪い場合、良い解を見つけることができないという問題点があった。そこで、初期値の決定に進化計算を用い、大域的にある程度良い解を見つけ、そこから局所探索を行う手法についての検討を行った。ここで用いられる進化計算には、ほとんど時間をかけることはせずに、大雑把に良い解を見つけることを目的として用いた。この手法についても従来手法との比較を行った結果、従来よりも良い解を短時間で見つけることができた。 以上に挙げた、アルゴリズムの改良を行うことにより超大規模空間における探索性能を向上させ、アルゴリズムの有効性を更に高めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに提案した超大規模な2次割り当て問題に対するアルゴリズムの性能を更に向上させるための改良を行い、従来手法との比較により、その有効性を示すことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究として、アルゴリズムの更なる改良が挙げられる。差分リスト作成の改良により高速化を行うことができたが、差分リスト作成初期においては、高速化の効果が得られいない可能性も示された。そこで,高速化手法の適用開始の調整や、近傍領域の増減による改善解の発見頻度の変化を調べることにより、更にアルゴリズムの性能を改善することについての検討を行う予定である。 また、最大多様性問題や、バイナリー2次計画問題などの、他の超大規模な組合せ最適化問題へ提案手法を適用することについても、今後の研究課題として挙げられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に購入した計算サーバが、予定していた価格よりもやや安く購入することができたため。
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次年度使用額の使用計画 |
研究成果発表のための旅費の一部に使用する予定である。
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