研究課題
本研究の目的は、超大規模な配置決定問題に対する革新的アルゴリズムの開発である。昨年度までの研究において、申請者は、超大規模な２次割り当て問題を対象に、新しいアルゴリズムの開発、改良を行ってきている。具体的には、現在解と近傍解の評価値の差のリストである差分リスト作成の効率化および改善を行った。差分リストの作成は、超大規模な問題では莫大な時間がかかってしまい、差分リスト作成中は解の探索を行うことができない。そこで、提案手法では、差分リストを作成しつつ解の探索を行う、これまでにない手法を提案し、さらに差分リスト作成および探索時の計算時間の短縮をする手法を組み入れることにより、さらに効率よく、超大規模空間を探索することができる手法を提案している。本年度は、これまで提案してきたアルゴリズムに、更なる改良を加えることで、解探索の効率化を実現した。具体的には、差分リスト作成時の解探索における近傍サイズは、これまで、同じ近傍サイズで探索を行っていた。しかし、差分リスト作成初期における改善解への移動頻度と、差分リスト完成直前の改善解への移動頻度は大きく異なるため、同じ近傍サイズでの探索は、効率がよいとは言えなかった。そこで、この解探索の近傍サイズを差分リストの完成度合いに応じて、動的に変化させることによって、効率的に解探索を行うアルゴリズムを提案した。実験では、超大規模な２次割り当て問題に対して、従来申請者が提案した手法と、新たに提案した改善手法との比較を行ったことろ、改善手法の方が、短い時間で評価値のよい解を探索できることが示された。以上に挙げた、アルゴリズムの改良を行うことにより、超大規模空間における探索アルゴリズムの有効性を高めることができた。
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Proceedings of the 9th International Joint Conference on Biomedical Engineering Systems and Technologies
巻: 3 ページ: 266-271
10.5220/0005798302660271
