研究課題/領域番号 |
25330284
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
永田 裕一 東京工業大学, 情報生命博士教育院, 特任准教授 (70334795)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 車両配送問題 / 巡回セールマン問題 / メタ戦略 / 遺伝的アルゴリズム / メメティックアルゴリズム |
研究概要 |
以前の研究で巡回セールスマン問題に対して非常に高性能な遺伝的アルゴリズム(GA-EAX)を開発していたが,この結果をまとめた論文が国際ジャーナル(informs journal on computing)に掲載された.この手法をクラスタ計算機上で並列実行する手法を考案し,計算機30台を繋げて20倍以上の高速化を実現した.この手法を用いて10-20万都市規模のベンチマーク問題のいくつかで既知最良解を更新した.この結果を国際会議(the 2013 Congress on Evolutionary Computation (CEC 2013))で発表した.また,GA-EAXの集団の多様性をこれまでより高度に実現する方法として,高次の依存関係を考慮したエントロピーを導入した多様性維持法を開発した.この結果を国際会議(the 13th European Conference on Evolutionary Computation in Combinatorial Optimization (EvoCOP 2013))で発表した. これまでの研究で,Pickup and delivery vehicle routing problem (PDPTW)と呼ばれるvehicle routingの特定の問題で非常に高性能なメメティックアルゴリズムを考案していた.この方法をより一般化して,PDPTWよりも基本的なVRPである Capacitated VRP (CVRP)やvehicle routing problem with time window (VRPTW)でも良い成果が得られることを確認した.この成果を国際会議(the 10th Metaheuristics International Conference (MIC 2013))で発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
車両配送問題にはさまざまな問題クラスが存在するが,その中でも最も基本的なクラスであるCapacitated VRP (CVRP)やvehicle routing problem with time window (VRPTW)に対して,同じ枠組みで良い結果を実現するメメティックアルゴリズムを今年度の研究で考案した.この手法をベースとして,より複雑な制約を持つさまざまなVRP問題に対しても,高性能な近似解法を構築することができると期待できる.
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今後の研究の推進方策 |
これまでに,VRPのいくつかの問題に対する高性能メメティックアルゴリズムを構築してきたが,集団の多様性維持についてはあまり考慮してこなかった.一般にメメティックアルゴリズムは,集団の多様性を適切に維持することで探索性能が向上する.これまでに巡回セールスマン問題に適用する遺伝的アルゴリズムに対してすぐれた多様性維持法を考案してきたので,この結果をVRPに適用するメメティックアルゴリズムへ応用する. さまざまなタイプのVRPを記述することのできる.モデリング言語を開発し,このモデルで記述された問題を統一的に解くことのできる汎用的なメメティックアルゴリズムの枠組みを構築する.
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次年度の研究費の使用計画 |
当該の途中で他大学(徳島大学)への異動が決まったため,購入予定だった機器の多くの購入を次年度へ移行することにした. 次年度は,当該助成金を利用して,昨年度に購入予定だった計算機サーバーを購入する.翌年度分として請求した助成金は当初の予定通り使用する.
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